2025年夏の暑さ対策グッズが「携帯冷房」など機能性重視で進化している。体感冷却グッズや弁当冷却アイテムが注目され、楽天調査では72%が購入予定、もしくは検討中と回答。暑さ対策は「身に着ける冷房」へと進化し、食分野でも冷たい主食や代替食品が人気拡大中だ。
手軽で高機能な暑さ対策グッズが人気拡大
最新の暑さ対策グッズに迫った。

山下あす奈記者:
見た目はまるで体重計なのですが、上に乗ると自動的にスイッチが入り、下からの風が吹き上げてきます。

さらに、お弁当を冷まして、痛みにくくするユニークなグッズも登場。

28日、大手通販サイト「楽天市場」は2025年夏のトレンド予測を発表。2024年に引き続き、手軽に使える暑さ対策グッズに熱い視線が注がれている。

暑さ対策グッズに関する調査では、72%が購入予定、もしくは検討していると回答。また、商品を選ぶ時に重視する点では、「価格帯」や「携帯性」を抑え、「機能性」が1位だ。(20〜60代男女1000人を対象に、2025年に実施したインターネット調査「Freeasy」)

気象庁の3ヶ月予報では、全国的に気温が高くなるとされる2025年の夏。

夏の定番グッズとなった、ハンディファンも進化を続けている。

山下あす奈記者:
こちらのファンはクリップ式になっていて、両手が塞がっている場合でも、涼しく過ごすことができます。

「楽天市場」によると、2025年はこうした機能性の高い商品や、小型化・コンパクト化の需要が高まるという。

一見普通のペンに見えるが、小型のファンが付いていて、仕事や勉強をしながら首元ひんやりさせることができるグッズも。

さらに、16gと軽量ながら、水を含ませると20時間冷たさが持続するネッククーラーも登場。

また、6月1日から始まる職場における熱中症対策の義務化を受け、応急処置セットなどの需要も増加。

2025年は、世の中の変化や利用者のニーズに合わせて、進化・多様化したグッズが多く登場すると担当者は予測する。

楽天グループ 楽天市場マーケティング部・竹田成美さん:
(2025年は)子ども用の商材が多数展開されたり、ペットとリンクできるようなコーディネートに取り上げられるような暑さ対策のグッズが販売されており、より生活の中で楽しみながら、快適に暑さ対策をして夏を過ごせる商材が増えてくるのではないか。
見た目重視から携帯冷房へ涼を求める発想が変化
「Live News α」では、データサイエンスの専門家である西内啓さんに話を聞いた。
堤礼実キャスター:
夏本番を前に消費のキーワードが挙げられていましたが、西内さんはどうご覧になりますか?

ソウジョウデータ代表取締役・西内啓さん:
暑さ対策というトレンドは、例年よりも早く猛暑日が続くという中でかなり明確に現れています。
例えば、冷却機能付きのウェア、あるいは、首掛けファンといった体に身につけるウェアラブルな量感グッズの売り上げが、大きく跳ね上がっている動きは色々なデータにも見て取れています。
堤キャスター:
やっぱり、両手がフリーになるというのは嬉しいですよね?
ソウジョウデータ代表取締役・西内啓さん:
まさに、それが消費のポイントと言って良いと思います。楽天市場のトレンドでも、汗の吸収性や冷たさを感じさせるインナーなどの検索数がかなり急増しています。
そして、かつては暑さ対策のグッズと言っても、扇子で風を送るとか、ハンカチで流れる汗を拭うといったものしかありませんでした。
今、ライフスタイルそのものが暑い日でも見苦しくないように、身なりを整えましょうといった消極的なところから一歩進んで、より積極的に、冷房を携帯するといったニーズで進化しているようです。
変化する主食と暑さに合う冷たい食が注目集める
堤キャスター:
食に関する消費のキーワードについてはいかがですか?

ソウジョウデータ代表取締役・西内啓さん:
主食である米の高騰によって、消費に興味深い現象が現れていると思いました。食のトレンドで特に注目なのが、米に代わる主食の多様化が顕著な動きとしてあります。
パスタやオートミール、あるいは、ベトナムのフォーといった新たな主食となる製品の売れ行きがすごく好調になっていました。
また、そうした食品を冷たい状態で食べられるようなソースなどの売れ行きも伸びているというところを見ると、単に米の価格が高騰していて代わりの食品が必要であったり、これまでにもあったような健康志向であるというだけではなくて、暑い日にも手軽に食べられるような「食」って何だろうという、価値観の多様化が進んでいることが伺えます。
堤キャスター:
やはり、消費の形自体も変わってきているようですね?
ソウジョウデータ代表取締役・西内啓さん:
はい。2025年夏の消費動向は、単なる例年と同様に夏物がすごく売れているというだけではなく、この気候変動を背景にしたライフスタイル変化の兆候が見て取れます。
今後、小売業や外食産業は、消費者の需要を理解して商品開発を行う時に、中長期的な気象予測といった要素は、無視できないようなものになっていくのではないかと思いました。
堤キャスター:
暑さや冷えから体を守ることに加えて、生活の質を上げてくれるものが増えているように感じます。夏をどう乗り切るのか、さらにはどう楽しむのか、これが消費のポイントなのかもしれませんね。
(「Live News α」5月28日放送分より)