備蓄米の放出をめぐり、小泉農水相が5月28日、「5キロ1800円程度で販売する」と新たな方針を示しました。しかし、備蓄米を速やかに流通させるため、カギを握るのが「精米」です。

■「古古古米」は5キロ1800円台目指す 店頭価格に影響は

5月30日以降、中小の小売業者向けに新たに受け付ける2021年産の備蓄米の随意契約について、小泉農水相は店頭価格5キロ当たり税抜き1800円を目指すことを明らかにしました。

この記事の画像(8枚)

小泉農水相:
街のお米屋さんや、中小のスーパーに5キロで1800円程度。こういったものが並んでいて、消費者のみなさんに、多様な選択肢を提供できる。

随意契約の備蓄米は、早ければ29日にも一部業者に引き渡されます。27日までにイオン、イトーヨーカドー、ユニーの親会社であるドン・キホーテの運営会社をはじめ、大手スーパーやドラッグストア、ネット通販など70社から契約の申請がありました。

ホームセンターのカインズも申請をしています。名古屋市瑞穂区の店舗で28日に扱っていたのは、岩手県産「ひとめぼれ」、国内産のブレンド米、そして最も安い3980円の備蓄米の3種類です。

カインズ広報部の宮田健義さん:
5000トン申し込んでいます。税込み(5キロ)2160円の想定ではいるんですけど、具体的な日にちであったりとかは、現状未定となっています。

28日の時点では、買い控えなど大きな影響は出ていないとのことですが、店には「米の値段を見に来た」という客もいました。

客:
安くなるっていう話だったんで、いつごろになるのかなと思って。(2000円台が)出たら買おうかなとちょっと待ってる。

■カギを握る『精米』 備蓄米をおいしく食べるには

スピード感をもって行われた備蓄米の随意契約ですが、課題が残されています。それは「精米」です。中小向け分を含むあわせて30万トンの備蓄米をスムーズに精米し速やかに販売することができるのでしょうか。

小泉農水相:
街のお米屋さんについては、店頭に精米機をお持ちですので、国の備蓄米を精米せず玄米のまま店頭にお持ちすることもできます。

街のお米屋さんで簡単に精米できるのでしょうか?名古屋市千種区にある創業100年以上の「米伍代目善太郎」では、全国から仕入れたこだわりのブランド米を販売することに加え、持ち込まれたコメの精米も行っています。

米伍代目善太郎 小川潤社長:
小売店さんの方から「精米の業務をお願いしたい」という話は来てないです。玄米を買われたお客さまがこちらの方に“持ち込み精米”でみえる可能性はあるんじゃないかな。

5キロの玄米の場合業務用の精米機に入れると、2〜3分程で簡単に白米になります。

一般的に白米はやわらかくおいしい一方、玄米は少し硬めですが栄養価が高いとされます。このため精米機ではその中間となる3分づき、5分づき、7分づきなどお好みで精米することもできます。

今回、出回るのは2022年産の「古古米」と言われる2022年産などのコメです。小川社長は“分づき米”ではなく、白米にしたほうがよいといいます。

この店では一連の備蓄米放出を受けた精米の依頼はまだないとのことですが、今後、広く出回った際に殺到すると対応できないのではと心配しています。

米伍代目善太郎 小川潤社長:
こういう事態ですので、できるだけ協力をしたいなと。いかんせん街の米屋なのでそこまでキャパシティーがあるわけではないですし、どこまでできるかはちょっと分からないですね。

(東海テレビ)

東海テレビ
東海テレビ

岐阜・愛知・三重の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。