東京・江戸川区の工事現場で27日朝に起きた爆発火災で、10人が負傷し建物38棟に被害が出た。重機が地中にあったガスボンベのようなものと接触し、ガスが漏れて引火した可能性があることが分かった。専門家は、地下にガスボンベ埋めたまま販売された可能性も指摘した。

朝の時間帯に江戸川区の住宅街で起きた爆発

事故直後の騒然とする現場。

規制線の先には消防車と作業に当たる消防隊員たちの姿が…
規制線の先には消防車と作業に当たる消防隊員たちの姿が…
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規制線の先には消防車と作業に当たる消防隊員たちの姿が見える。

記者リポート:
あちらには黒く焦げたクレーンの先端が見えます。こちらには消防車の車列ができています。

爆発現場にあった焼け焦げたトラック
爆発現場にあった焼け焦げたトラック

朝の時間帯に住宅街で起きた爆発現場には焼け焦げたトラックがあり、運転席は激しく壊れ、タイヤが溶け落ちている。

近隣住民は、「結構大きかった。作業員の人たちみんな『耳聞こえない』と言っていた」「『ボンッ』と音したと思ったら、すぐ『パリッ』となった。そしたら全階割れてる」「急に『ドカーン』と爆弾が落ちたくらいの音がして、家もブルブル揺れた」といった声が聞かれた。

爆発火災の直後とみられる映像には、ごう音が記録されていて、別の事故直後とみられる映像にも、爆発音が響き渡り騒然とする様子が記録されていた。

現場は東京メトロ東西線・葛西駅から約300メートル離れた住宅街で、周囲には保育園や小学校などがある。

この爆発による火災の影響で、近所の住民など10人がけがをしたが、いずれも軽傷だという。

爆発の衝撃は、現場から約200メートル離れた場所でもあった。

爆発が起きた後、建物の中にいた人たちが、慌てて外に出てくる様子
爆発が起きた後、建物の中にいた人たちが、慌てて外に出てくる様子

防犯カメラ映像には、左右に揺れる建物と、中にいた人たちが、慌てて外に出てくる様子があった。

また爆発の衝撃で、設置されている防犯カメラが落下する様子も映っていた。

燃えた重機は、黒く焼け焦げた車体が激しく損傷し、タイヤが溶け落ちている。

爆発があったすぐ近くの建物では窓枠が大きく曲がっている…
爆発があったすぐ近くの建物では窓枠が大きく曲がっている…

爆発があったすぐ近くの建物では窓枠が大きく曲がっていて、屋根の一部分が落ちているのも確認できる。さらには、壁に穴が開いてしまっている所もあり、それだけの衝撃だったのが確認できる。

隣のコンビニでは看板などが壊れていた
隣のコンビニでは看板などが壊れていた

隣のコンビニでは看板などが壊れ、駐車場にガラスが散乱。近くにある建物の窓ガラスも粉々になっていたことが、爆発の威力を物語っている。

頑丈なエアコンは壁から外れている
頑丈なエアコンは壁から外れている

爆発現場のそばの家は、リビングの窓ガラスが割れて“吹き抜け状態”になり、頑丈なエアコンは壁から外れ、洗面台に設置されている風呂の電源パネルも外れていた。

近隣住民:
これ(リモコン)あるじゃないですか、どっか遠くから飛んできた気がする。
この状態だと防犯上ガラスが全くないので、それが今は心配。

この爆発火災で付近の住宅など少なくとも38棟で、壁が壊れるなどの被害があったという。

当時現場では住宅の建設工事が行われていて、重機が杭を打ち込んでいた。その際に地中50~60センチほどの深さに埋まっていたガスボンベに、重機のドリルが当たり破損。ガスが漏れ、充満したガスに金属の摩擦で上がった火花が引火し爆発したとみられている。

元東京消防庁・麻布消防署長の坂口隆夫氏は、ガスボンベが地中に埋まっていたことについて「それは(ガスボンベは)埋まっていない。以前そこの敷地は何に使われていたのか。工場であっただとか。 (本来は)そういう危険のあるものは全部除去して、それから他の新しい用途に使われる。地下に埋めたまま販売されたことも考えられる」と指摘する。

駅から近い住宅街で起きた爆発火災。現場では後片付けが続いている。
(「イット!」 5月27日放送)

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