北海道の初夏の味覚、「夕張メロン」の初競りが行われた。
2025年は、物価高騰がご祝儀相場にも影響したのか、2024年より大きく値を下げた。
札幌の卸売り市場に並んだのは、甘さたっぷりの夕張メロン、約800玉。
2025年は春の日照不足で、やや小ぶりなサイズが目立ったが、初競りのご祝儀価格に期待がかかる。

初競りの最高値は、2玉で100万円。
2024年の300万円から大幅ダウン。
競り落としたのは、小樽市で観光客向けに道産品を扱うお店だ。
「(今年の初競りは)例年の高額になった時よりは落ち着いている雰囲気だと思いました」(今年の夕張メロンを落札した業者)
物価高騰の影響なのか、ここ10年の中で、2番目の安値となった。

「ホタテや海鮮丼が並ぶ中に、きょう落札された100万円のメロンが置かれています」(福岡百記者)
競り落とされたメロンはさっそく小樽市内の店に展示された。
完熟するのを待って、販売するということだ。
「10万円かと思ったら、100万円!!」(観光客)
「100万円!買えないです」(観光客)

夕張メロンの初競り価格はまさに世相の鏡―。
40年前は6万円だったが、2007年に夕張市が財政破綻した後は応援ムードから初の200万円に。
翌年も250万円と夕張の生産者を元気づけた。
「夕張のために貢献できればなってことで、会社で話し合いまして」(当時の落札業者)
高額なメロンを見た買い物客は―。
「1、10、100、1000、1万!土地売らなかったら買えないわ」(当時の買い物客)
しかし、2009年はリーマンショックの影響もあってか、50万円に。

2016年には300万円と破格の値がついたが―2019年は、なんと2玉500万円!
最高額を大幅に更新。
落札したのは大手飲料メーカーで、夕張メロンを使用した商品PRを兼ねていた。
しかし2020年は12万円と、コロナ禍の影響で急落。
時代の景気や空気を映し出す、夕張メロンの初競り。
2025年の100万円は、物価高の“慎重さ”を物語る価格だったのかもしれない。
