QRコードを読み取り名刺交換

リモートワークの追い風を受けてオンラインでの名刺交換が進化している。

個人向け名刺アプリ「Eight」
個人向け名刺アプリ「Eight」
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これは、名刺管理ソフトの大手「Sansan」が提供している、個人向け名刺アプリ「Eight」。

自分の名刺を撮影し、性別や生年月日などプロフィールを打ち込んで「オンライン名刺」を作成すると、オンライン上の打ち合わせで、QRコード化した自分の名刺情報を背景に設定して画面に表示させ、どちらかが読み取るだけでお互いの名刺交換が完了する。

「Eight」ユーザー・和田さん:
名刺情報が自動的に取り込まれてデジタル化されて、交換した日付とかも自動的に入り、すごく便利です。
(オンライン名刺交換ができない時は)ビジネス機会も損失していそうだし、ちゃんと今では活用してデータをいただくとか、こちらも逆にデータを渡せるので、すごく双方にとって良いのかなと思います。

リモートワーク普及で交換数は5倍増

4年前からサービスが始まっている、このオンライン名刺交換。
リモートワークの普及で、交換数は2019年の8月と比べて、4倍から5倍に増えているという。

そして今回、進化したのが...。

Sansanブランドコミュニケーション部 PRグループ・武田春香さん:
Eightを使っていない人とでも、オンラインで名刺交換ができるようになるともっと便利になるよね、といった声を多くいただいておりましたので。

Sansan・武田春香さん
Sansan・武田春香さん

アプリの非ユーザーも名刺交換が可能に

これまでは、アプリをダウンロードしたユーザー同士でなければお互いの名刺を交換できなかったが、今回、アプリをダウンロードしていない相手からの名刺も、会議画面に映し出されたQRコードを通じて交換できるようになった。

自分がアプリの非ユーザーで、相手の名刺を受け取りたい時は、まず携帯のカメラで相手のQRコードを読み取り、続いて自分の名刺を撮影する。
撮影したら、自分の名刺を相手に送り返し、これでオンライン名刺交換は完了。

Sansan・武田春香さん:
やはりコロナ禍は全世界的なことなので、オンラインで連絡先を気軽に渡すことができたり、連絡先を交換しておけばその後のビジネスにつながるということが海外の方にも認識・理解してもらえれば、全世界的にオンライン名刺というものが普及していくのではと考えています。

「繋がりたい人」の情報取得ツールに

三田友梨佳キャスター:
このニュースについては、テクノロジーの活用に詳しい IoTNEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。今回の取り組みはどうご覧になりましたか?

Iot/AI 専門メディア IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
連絡先を知るための名刺交換という意味では、欧米の習慣に近いやり方かなと思います。欧米では会話を交わして、今後も繋がっておきたい相手に連絡先を渡します。
一方で、日本の名刺文化は欧米から見ると独特で、初対面の時に交わす「ご挨拶」の意味合いが大きいと思います。

三田友梨佳キャスター:
日本の名刺交換もデジタル化の影響で変わっていくのかもしれませんね。

IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
そうですね。こういった動きが加速していくと、デジタルでの名刺交換を通じて厳しい現実と向き合うことになるかもしれません。

デジタル技術で、自分の連絡先などのデータを相手がどれだけ取得したのか、そういった数字もとれるようになります。
例えば、5対5の初対面でオンライン会議をやった後に、相手が誰も自分の名刺データを取得していないということもわかるようになる可能性があります。

結果的に名刺交換は「ご挨拶」から「その先の関係性を発展させたい人の情報を取得するツール」になると思います。
その結果、自分をかえりみるきっかけにもなるのかなと思います。

三田友梨佳キャスター:
紙の名刺を初めて持ったときは社会人になったと実感しましたが、名刺のあり方はこれから多様化していくのかもしれません。

(「Live News α」9月22日放送分)