正確なトスと、眩しい笑顔!
大学生や社会人と一緒にボールを追いかける、愛媛県今治市のFC今治高校里山校に通う2年生の境心葉さん。砂のコートで2人1チームで戦うビーチバレーに取り組んでいる。
境心葉さん:
「コートに2人しかいなくて、どう相手と駆け引きするか、ペアとどうボールを落とさないように守るかという頭を使ったプレーをするのが魅力だと思います。」

全国大会マドンナカップではベスト8の好成績
小学生でインドアバレーを始めた境さんは、中学1年の時にビーチバレーボールと出会いメキメキと上達。
高校1年で愛媛県の強化指定選手に選ばれ、2024年8月に行われた女子高生ビーチバレー全国大会・マドンナカップではベスト8の好成績を残した。

オリンピアンの楠原千秋さんも彼女を高く評価
指導するオリンピアンの楠原千秋さんも彼女を高く評価する。
オリンピックに2度出場した楠原千秋さん(松山市出身):
「背は高くないがボールコントロールが良いので、(ビーチバレーは)2人しかいないので強い球ではなくても空いているところにボールを落とせば、ビーチバレーは勝てるスポーツ。」

自分のやりたいことができる!
自分のやりたいことができると思って、FC今治高校里山校の入学を決めた境さん。
ただ学校にはビーチバレーのコートがなく、週に3日は授業が終わった後には大忙し。
自宅の西条市から母親の送迎などで1時間以上かけて、ビーチバレーの練習場がある松山市に通っている。
境心葉さん:
「たまに電車で行き帰りすることもあるんですけれども、ずっと電車はしんどいし、時間がかかるのがわかっているからこそ、毎回毎回送迎してくれるありがたさはすごく感じます。」

クラウドファンディングでコートを作りたい!
目標は、ビーチバレーで全国優勝。
そのためには毎日練習ができる環境がほしい。
境心葉さん:
「コートを作るお金をどうするかってなったときに、クラウドファンディングっていう方法をみつけて、自分の学校にビーチバレー部を設立し、コートを作りたい!」
境さん自らプロジェクトを立ち上げ、コート建設の資金を集めるため、4月からクラウドファンディングを始めた。
自分で施工業者と打ち合わせも行い、建設費など500万円を目標に活動している。

心の奥にあったインドアへの未練も湧いてきた境さん
大きな挑戦をスタートさせた境さんですが、迷いもあった。
境心葉さん:
「春高バレーを現地に見に行って、そういうのを見ていたら、そっち(インドア)でやりたかったなっていうのもあった。」
春高バレーで全国の選手が躍動する姿を目のあたりにし、心の奥にあったインドアへの未練も湧いてきた境さん。
近くで見てきた学年担当の宮谷先生にも本音を打ち明けていた。
学年担当・宮谷拓也先生:
「(春高を見て)冬休み明けて来たときに『ちょっと精神的にやばいです』と。もともと彼女がバレーボールを本気でやりたかったので、間近で一生懸命プレーしている選手を見て、自分もここに立つべき存在だったのではないかと感じていたんだと思います。」

自分で選んだこの道を正解にする
境心葉さん:
「友達に連絡した時にくよくよしていても何にも変わらないし、『自分でこの道を選んだのなら、自分で正解にするしかないんじゃない?』ってアドバイスをもらってその子も頑張っているし、スイッチが入りました。」
自分で選んだこの道を正解にする。心の重荷が取れた。
境心葉さん:
「春高は憧れの舞台でもあったし、自分もバレーボールを続けていたらなと考えてしまうことはあったんですけれども、『自分が決めた道を自分で正解にしたい』と思ってやっています。」
Q.ビーチバレーを選んで良かった?「はい!」

ビーチバレーボールこそ青春!
クラウドファンディングで学校にコートを。周囲の力も借りて、自分の夢を叶える日を楽しみにしている。
学年担当・宮谷拓也先生:
「彼女の大きな一歩を全力で応援してあげたい。」
指導者・楠原千秋さん:
「一つの目標に対する取り組み方は私も感心しているし、見習わなければいけないと思っています。」
境さんが描く青春とは…
境心葉さん:
「真っ黒になりながら、ドロドロになりながらも、ボールを追いかけるビーチバレーボールです。」
