東日本大震災で全壊し復旧が進められてきた岩手県陸前高田市の県指定文化財「旧吉田家住宅主屋」が14年ぶりによみがえり、5月23日、開館の記念式典が開かれました。
23日の記念式典には関係者約100人が出席し開館を祝いました。
陸前高田市気仙町の「吉田家住宅」は、江戸時代に仙台藩主・伊達政宗から気仙郡を治める役人を任命されていた吉田家の仕事場として1802年に建てられたものです。
東日本大震災の津波で全壊しましたが、流された部材を回収し、それらを組み合わせ2025年3月に復旧が完了しました。
23日からの一般公開に当たり、佐々木拓市長が思いを伝えました。
陸前高田市 佐々木拓市長
「全壊から復旧を成し遂げたこの文化財を見てもらい、穏やかなぬくもりと風情を感じてほしい」
よみがえった主屋は気仙大工によって江戸時代当時の造りが再現されています。
吉田家第十五代当主の吉田裕さんは、多くの人が来館するよう期待を込めていました。
吉田家第十五代当主 吉田裕さん
「200年もたったものが気仙町にあって、まちのシンボルになっていたことを多くの人に訪れてもらい、昔の歴史に触れてみてもらいたい」
陸前高田市によりますと、旧吉田家住宅主屋の完成をもって、市が手がけてきた東日本大震災からのハード面での復旧事業は全て完了したことになるということです。