北方領土の返還を求める県民会議の総会が開かれ、戦後80年を迎える今年、領土返還に向けた運動を強化することが確認されました。
一方、ロシアのウクライナ侵攻で四島との交流事業は停止したままで関係者は不安を募らせています。

富山県富山市で開かれた北方領土返還要求運動県民会議の総会には役員15人が出席し、会長を務める武田慎一県議会議長が戦後80年にあたり、領土返還に向けた決意を述べました。

*北方領土返還要求県民会議 県議会議長 武田慎一会長
「我が国固有の領土である北方領土が旧ソ連軍に不法占拠されてから今年で80年。政府の外交を支えるのは、国民世論の高揚である。北海道に次いで引揚者が多い富山に住む私たちが果たすべき役割は極めて大きい」

総会では、今年8月と10月に開かれる「戦時下の暮らし展」で北方領土返還に向けた県民会議の取り組みや戦前の島の様子を紹介するパネル展示を行うほか、現在富山県も黒部市に残る「北方住宅」のジオラマを製作することが報告されました。

戦後80年が経過し、当時の記憶や記録の継承が進められる一方、肝心の領土返還は足踏みを余儀なくされています。

*県総合政策課 鍋島恵子課長補佐
「北方四島交流訪問事業ですが、今年度も残念ながら見送りとなっている」

両国の相互理解を深め領土問題の解決につなげようと始まった北方領土との「ビザなし交流」は、2022年、ロシアがウクライナ侵攻で制裁を課した日本に反発して停止となり、現在も再開には至っていません。

元島民の関係者は領土の返還に向け、一刻も早い交流事業の再開を望んでいます。

*千島歯舞諸島居住者連盟富山支部 井田公行副支部長
「千島列島は80年経っても地面が1センチたりとも返ってこない。どうにかこの事業、いまは洋上墓参ばかりだが現地の方と交流事業をすることが一番大切じゃなかろうかとそう思っている」

富山テレビ
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