2025年4月、人気アイドルグループの『ももいろクローバーZ』や『Aぇ!group』など有名アーティストが新潟でライブを行い、全国各地からファンが集結した。こうしたイベントなどで期待できるのが交流人口の拡大だ。ライブ当日のにぎわいと経済効果を取材した。
Aぇ!groupファンが新潟に集結!
4月、ぬいぐるみやうちわが入ったバッグを持った多くの人が新潟駅に降り立った。

全国から訪れていたのは、24年にデビューしたアイドルグループ『Aぇ!group』のファンだ!
新潟市中央区の朱鷺メッセで2日間・3公演が行われ、全国各地から約2万5000人が集結した。
中には、熊本から訪れたという人も。到着したばかりだが「もうウキウキでお米買っちゃった。この日のために3カ月間くらい頑張ってきたので全てをかけようと思う」と興奮した様子を見せていた。
新潟は首都圏からのアクセスが良く、さらにライブ会場となる朱鷺メッセは駅からも近いため、ライブを楽しむ人たちに人気の会場で、24年は17組のアーティストがライブを開催。
ご当地グルメ求め行列も!売り上げは普段の3倍近くに
その影響は新潟のソウルフード・タレカツ丼を提供する人気店にも。

駅ビルの店には行列が!ライブ開催日は普段の3倍近い売り上げになると、とんかつ太郎の小松寿雄代表は話す。
「イベントがたくさんあると、新潟に来てくださる人に新潟の魅力をどんどん発信できる。そういう意味ではすごく大切なことなのでは」
首都圏か来た人も「匂いも食欲をそそられるし、ぺろっと食べられちゃう。ならではのものは、その土地でしか味わえないので、それも楽しみの一つ」と話す。
会場近くの宿泊施設はほぼ満室に
波及効果は、朱鷺メッセ近くの宿泊施設にも。
ホテルオークラ新潟の齋藤正和宿泊部長は「コンサートの開催発表直後から予約が入ることが多い」とその現状を明かす。
この日の週末はももいろクローバーZのライブも重なったため、265ある客室がほぼ満室に。

県外客に新潟を満喫してもらえるよう、観光地の案内マップなどを用意して体制を整えている。
「新潟駅・新潟空港とコンサート会場の往復だけではなく、新潟観光や散策をしたり、食べ物・お土産品で新潟の旅行を楽しんでいただきたい」と、齋藤部長。
コンサート開催日は、新潟市中央区やすらぎ堤の桜が見頃を迎えていたことから、信濃川沿いを散策する人の姿もあった。
ライブきっかけに初めて新潟を訪れた人も「楽しい思い出に」
コンサート開演2時間前…会場周辺は新潟を訪れた記念に“NIIGATA”のオブジェと写真撮影を行うファンで、すでに大にぎわい!

静岡・大阪から来たファンは「新潟の会場は平和で空気もきれい。初新潟、楽しい思い出ができたら」と笑みをこぼす。
大阪から10時間かけて夜行バスで来たという女性は「朝、サウナに入ってきたので整ってシュッとした。むくみも全部とって」と気合い十分だ。
県外から多くの人が集まり、熱気に包まれた週末。

こうした機会をチャンスと捉え、2度3度訪れてもらうにはどうしたら良いのか?そのヒントは、ももいろクローバーZ・玉井詩織さんがライブで語った言葉にあった。
「この春一で来てくれた方で、ライブではないタイミングでも訪れている方がいる。皆さんにとっての新しい出会いのきっかけとなるライブ」
ももクロ×新発田市 経済効果は約6億4800万円に!
ももクロのライブは町おこしを目的に自治体とタッグを組んで開催。

25年に新発田市で行われた野外イベントでの経済波及効果は約6億4800万円に上っていて、観光名所など至る所にももクロが!
東京から来たファンは「このイベントの趣旨が地域貢献。ここにお金を使うというところなので、それに貢献するという感じ」と話し、長野から来たファンは「ライブの日だけだと足りない。前泊・後泊もして全力で楽しみたい」と話した。
こうしたファンの思いが結集した結果、宿泊や食事・お土産代など市内での消費は全体の55%にあたる約3億5200万円で、1人あたりの平均消費額は日帰り客が約1万5000円、宿泊客では約6万6000円と大きな経済効果を生んだ。

アーティストの影響力とファンのエネルギーを訪れた地域で発揮してもらうことで大きな経済効果が生まれる。
ライブを観光資源ととらえ、自治体側がアーティスト側との連携を模索していくことが、地域活性化につながるのかもしれない。
(NST新潟総合テレビ)