22日、本格始動した小泉進次郎新農水相(44)。

自らを“コメ担当大臣”と称し、農水省の幹部職員を前に、コメの値下げに向け全省を挙げて取り組む考えを強調しました。

そんな小泉農水相が「サン!シャイン」に生出演。様々な疑問や不安に答えてくれました。
随意契約について「2000円台に」の真意
――コメの価格を2000円台に持って行きたいという発言がありましたが、その真意は?
小泉進次郎農水相:
今まで石破茂首相は3000円台と申し上げていましたけども、今店頭の価格などを調べますと、相当地域によって幅があるんです。私がすごく驚いたのは、沖縄の西表島、これはなんと、5kg6500円というお米があるんです。
そして、北海道で今3700円平均くらい?きのうは長野県で2990円っていうのが出ましたよね。ですので、国民の皆さんが安心して買える水準はどこだろうと考えたときに、今平均が4200円だから3000円台で十分かというと、私はやはりもう一段の深掘りが必要だろうと、異常な高騰を食い止めるためには。
ですので、今、最終的な調整なんですけども、店頭に2000円台で国の備蓄米が並べる、そういった調整をしています。

――価格はそれぞれの地域差、運送費などで離島で高くなることはあると思うが、店頭価格は国が決めるのか、それともある程度の目安をもって販売するのですか?
小泉進次郎農水相:
これは、店頭価格までは運賃などいろいろかかると思うので、それを絶対この値段でというのは難しいと思いますが、少なくとも今までとは全く違う「この値段で買ってください」と、そして、この値段で買ってくださいというのはこちらからはっきりさせますから、どれくらい仮にマージンをのせるということで、あまりにもマージンをのせすぎている事業者があったら棚に並んでいる値段で一目瞭然だと思います。
そして、ある意味そこまで利益と言うよりも、今緊急事態だから、そこに協力したいという事業者の方、小売りの方がもう出てきているんです。
そういった方々からすると、仮に、これから詳細ははっきりさせますが、2000円台で棚に並べるような水準で我々が随意契約でお渡しをして、もうほぼそれに近いような価格で、2000円台で並べるお店と、そして、仮に心配されるような「相当のっけてくるんじゃないの?」というところがあったとしたら、その事業者は相当な説明責任を負うことになると思いますので、我々としては、2000円台で、こういったことで随意契約の方を決めていきたいと思っています。

――随意契約先はある程度決まっているのか?店頭にはいつ並ぶ?
小泉進次郎農水相:
早ければ、6月の頭くらい。だからもう2週間、この2週間以内に、備蓄米を随意契約で下ろしたものが、店頭には2000円台で並んでいる。こういったことを目指しています。
そしてそれが可能になるような事業者からも協力の申し出などが来ています。ですので、これはスピード重視だと言うことも、世の中にも、国会にもご説明をさせていただきながら、とにかく早く国民の皆さん、生活者の皆さんに、安心していただいて、これからもお米が安定的に安心して買えるんだという、こういう環境を作っていくことで、農家の皆さんが心配している米離れをこれ以上起こさせない、そういった断固たる決意で実現をしていきたいと考えています。
適正価格について 2000円台では米農家は厳しいのでは?
――今後も2000円台となると小規模農家は赤字になり、米作りをやめてしまうところも出てくると思います。大臣は減反より増産とおっしゃっていましたがその点は?
小泉進次郎農水相:
これは矛盾していません。
まず、2000円台でずっとというより、今問題なのはこの異常な高騰がずっと続くということによって、本来であればお米を選択してくれた消費者・生活者の皆さんがお米から離れていく、もしくは今すでに大手のスーパーの中には関税を払ってでもアメリカからカリフォルニア米を直接買って、それを国産米より安く棚に並べることでコメを提供しているところもありますよね。
これをずっと続けていけば、結果として国産米離れが起きますよ。なので、まずはこの異常な高騰に水を差さなくてはいけない、そのための国の役割として、2000円台で備蓄米は流していく。だけど、あらゆる資材や、あらゆる物流コストも含めて、デフレからインフレ型の経済になって一定の価格転嫁も進んでこれはいいことなんですが、そのことによって農家の皆さんの生産コストが上がっていることも事実なんです。

ですから、今後、適正価格というものに落ち着かせていくためには、まず一回この異常な高騰を抑えなくてはいけない。そこで、今の世の中の価格からすると、平均4200円といっていますが、今回調整しているのは、2000円台ですから、1年前は2000円台で当たり前に並んでいたというところをもう一回感じていただくことで、そこの時点でこれからの適正価格はいくらなのか、そういった議論もしながら農家の皆さんにも安心していただきたいなと考えています。
ちなみに、秋以降に出てくる新米は、この5年のうちで最も伸び幅が大きく、コメがこれから新米も出てきますので、ここは安心して受け止めていただければなと思います。

――今回の高騰と、将来的な適正価格は別と考えてよろしいのでしょうか?
そうです、例えば今から随意契約で2000円台で出しますと言ったときに、もうすでに農家の方は売ったお米なんです。ですから、今回仮に2000円台で随意契約で出しますということが、今の農家さんに響くということはありません。
そしてこれから農家の皆さんがいくらでお米を買ってもらうか、これはJAが概算金という形で、例えば新潟だと2万いくらとか、こういった形で始まりつつありますけども、これからも安心してお米を作っていただける、そして最終的にこれが余ったらどうするんだという思いも含めて考えると、今までよりも輸出という、海外のマーケットを取っていくことを本気になって考えなくてはいけないので、これは政府の体制の強化も含めて、考えていくというのが、今のコメの異常高騰を抑えると同時に、中長期に考えていかなくてはいけない方向性だと思います。

――備蓄米が足りなくなった場合、どのような方策を考えていますか?
小泉進次郎農水相:
これはまず、備蓄米はいざというときに出すものですから、これは躊躇なく出したいと思っているので、需要があるなら無制限で出せばいいと思っています。
よく、災害があるときの不安を持たれている方いると思うのですが、熊本の地震と東日本大震災の経験で、どれだけそのとき備蓄米を使ったかというと、正直申し上げて、心配するほど備蓄米は出ません。こういったことを考えると、まず今優先すべきはこれだけ日本の主食であるコメが高いと言うことが、世の中の空気を支配して、米離れが起きつつある、そして当たり前に外国のお米も棚に並んで、これでいいんだとなったら、今の高止まりがむしろ米農家さんの意欲をそいでしまう可能性もあり、なのでここはいったん、国が前に出て、2000円台で出してくるんだと、そのことをちゃんとマーケットにも受け止めていただいて、この異常高騰を食い止めたい、米離れをこれ以上進行させないと。そういった思いです。
(「サン!シャイン」 5月23日放送)