小学校でも案内された子供向けの国際交流イベントで、返金トラブルが相次いでいる問題について、イベントを運営した団体の元職員がカメラの前で初めて取材に応じ、「なるべくしてなった」と団体の実態を明かしました。イベントを運営する団体の実質的代表者(現在は元代表)はバスなどを手配する旅行会社も運営していて、宮城県は旅行会社への業務停止処分も視野に対応を検討しています。

宮城復興支援センターの元職員
「(トラブルになるのは)やっぱり時間の問題なのかなとは思っていましたし、なるべくしてなったということでしょうか」

こう話すのは、返金トラブルを起こしている「一般社団法人 宮城復興支援センター」にかつて勤めていた職員です。センターや関係する旅行会社が企画・運営する国際交流イベント「イングリッシュキャンプ」を巡っては、開催が中止になったにもかかわらず、参加費が返金されないというトラブルが全国で相次いでいます。さらに、開催されたイベントでも、宿泊施設やバス会社への入金が一部、滞っているということです。

宮城復興支援センターの元職員
「結局、本当に自転車操業で、自分の感覚から言うと、先食いをして、要は募集してお金を集めて、それでなんとか回していたんですけど、回り切らなくなったということだと思いますね」

こうした問題を受け、宮城県は今月、旅行業法に基づき、旅行会社への立ち入り検査を行い、少なくとも216件・総額600万円分の返金が遅れている事実を確認しました。

しかし、宮城復興支援センターの元職員は「(未払いは)宿泊施設でも数百万円あると思います。バスに関しては1500万円から2000万円あると思います。保護者さんに返すお金は多分、数千万円単位であると思います。ざっくり1億円前後あるんじゃないか」と証言しました。

県は23日までに返金するよう行政指導を行いましたが、元職員は「(返金は)無理だと思います。(元代表が)金銭的に困窮しているし、例えばどこかから、銀行から借りるのも難しい。あと個人から借りるのも信用問題で難しいということは、基本的にはお金は作れない、返せないということだと思います」と話し、返金は難しいという見方を示しました。

団体の内情については「元代表のワンマンだった」と話します。

宮城復興支援センターの元職員
「彼の考え方が分からないですけど、結局、目先の金が欲しいんだと思う。(Q、未払いやクレームが続く中でも募集を続けていた?)続けていますね」

ほかにも事務所の家賃の滞納などもあったというこの団体。元職員が今、保護者や事業者、そして、子供たちに対し思うことは。

宮城復興支援センターの元職員
「やっぱり申し訳ないっていう気持ちはありますよね。みんなに迷惑かけているわけですから、いち早く返すべきだと思います」

県は、23日までに返金が行われなかった場合、センターとともにイベントを企画・運営していた旅行会社への業務停止処分も視野に、対応を検討しています。

仙台放送
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