八木山動物公園では、老朽化などにより解体されることになった「ゴリラ舎」でお別れのイベントが開かれました。ゴリラ舎にはかつて国内最高齢まで生きた「ドン」が暮らしていて、訪れたファンがあらためて思いをはせていました。
詰めかけたファンが別れを惜しんだのは…。
「さみしいよね、涙が出ちゃう」
「ローラちゃんとドンくんの思い出に浸りたいと思って来た」
「ローラ」と「ドン」、解体されるゴリラ舎で暮らしていました。八木山動物公園は開園からおよそ60年を迎え、老朽化のため大規模な改修工事が去年から行われています。
1971年にやってきたオスのドンとメスのローラ。ローラは2007年に、ドンは2019年にこの世を去りました。とりわけドンは威厳あるたたずまいと凛々しい顔立ちが人気で、国内最高齢の推定50歳まで生きました。
5月23日はドンをこよなく愛していたファンたちが集まり、飼育員から思い出話を聞きました。
飼育員
「毎日朝と夕方ミルクを温めてあげていた。その時使っていたコップがまだ残っています」
中にはドンになりきって思いをはせる人も…。
「こんな感じでお客さんのことを見ていたんだなと、一体になった思いがする」
「私の初恋の人。さみしい、だから目に焼き付けておこうと思った」
「ドン」の担当飼育員 飯田雄一さん
「たくさん思い出をくれたドンだった。建物がなくなっても、ここにゴリラがいたことは心に思い出として残っていると思う」
また、ゴリラ舎に隣り合う「ガン生態園」の解体も決まっています。こちらでは、絶滅危惧種の「シジュウカラガン」の飼育と繁殖に貢献しました。
今後は、サイやカバ、チンパンジーなどを展示する「総合獣舎」として2028年度に利用が始まる予定です。