通行人に声をかけて飲食店などへ呼び込む“客引き行為”。新潟県内では2008年4月から、執拗なものやキャバクラなどの歓楽的な雰囲気を醸し出すようなものといった不当な客引き行為が条例で禁止された。しかし、いまだに客引き行為が今でも横行している現状で、新潟駅前の商店街の店舗が一体となって「客引き行為をなくそう」というプロジェクトが始まった。どのような内容なのか取材した。
後を絶たない“客引き”トラブル
5月の新潟駅前の繁華街。この日の夜も見られたのは路上を徘徊して声をかけ、通行人を飲食店などに呼び込む“客引き”だ。

新潟駅前弁天通自治会の堀芳和会長は「店の前でほかのお店にとられるとか、道路に堂々と立って客引きをして車の妨害や見た目の問題、ゴミのポイ捨てなど色々ある」とトラブルが後を絶たない現状を語る。
県内では一部の行為が条例で禁止されているが、すべてを取り締まることはできていない。
地元のボランティアや商店街の店舗からなるセーフティゾーン活動委員会は、客引き行為などをなくすため、青いベストや青く光る誘導灯を持って、15年ほど前からパトロールを実施。

しかし、パトロール中は客引きの数が減るものの、パトロールを終えるとすぐに客引きが戻って来るため、いたちごっごともいえる状況が続いている上に、委員の多くは店舗のオーナーであるため、夜間のパトロールに参加できない現状がある。
商店街全体で客引き撲滅へ!店舗に“青い旗”配布
そこで、セーフティゾーン活動委員会が作成したのは、「客引きしない・させない・許さない」と書かれた青色の旗だ。

新潟駅前弁天通商店街振興組合の堀川雅弘理事長は「パトロールには参加できないが、客引きを減らすというところに関しては応援をしたいという意思が表現できるように、今回のプロジェクトをやろうということになった」と青色の旗を作った経緯を話す。
委員会がパトロールの際に着るベストと同じ色の青い旗を店舗に掲げることで、客引きを撲滅しようという雰囲気を商店街全体で出していこうというのだ。
この日は、日中に店舗を周り賛同している店舗にフラッグを配布したほか、まだ賛同が得られていない店舗にはプロジェクトへの協力を呼びかけた。

賛同した店の店長は「看板である駅前をよくしていこうということで賛同した。この道を避けられないよう、活気ある駅前になればいい」と話す。中には、さっそく店先にフラッグを掲示する店舗もあった。
堀会長は「まずは(新潟駅前の)弁天通商店街が一丸となってやっていくことが一番大事。客引きの防止、抑止力になれればと思う」と意気込む。
このプロジェクトの名称は“ブルーハンカチプロジェクト”。
客も青いハンカチやスカーフを身につけることで、「客引きに声をかけてほしくない」という意思を示し、プロジェクトに参加することができる。セーフティゾーン活動委員会は今後、「客引き行為を禁止する市の条例の制定につなげたい」考えだ。
(NST新潟総合テレビ)