出産後の女性の中には、様々な理由から自分で母乳を搾る「搾乳」が必要な場合があります。そうした母親が気軽に利用できる空間を提供しようと、県と子育て支援サークルが連携して「搾乳室」と表記した案内表示板を作り、県内で導入を進めています。
  
県庁の1階ロビーに掲示されたのは「授乳・搾乳室」のマークです。「授乳室」の表記は目にする機会もありますが、今回新たに「搾乳室」の表記が加わりました。部屋の中には、椅子と小さなテーブルが一つずつ置いてあります。
  
そもそも搾乳は、低出生体重などで産まれ入院している赤ちゃんに母乳を定期的に届けるために必要なもので、外出中でも搾乳ができる場所の確保が求められています。
  
21日は、県と連携して「搾乳室」の案内板を作成した低出生体重児の母親のサークル「カンガルークラブ福井」のメンバーらが現場を見学しました。
  
代表の北川さんは「一般的には子どもと一緒に入る授乳室へ“一人では入りづらい”という母親の声を受けて案内表示に搾乳室を盛り込もうと、県からカンガルークラブに協力依頼がありマークを作成した」と話します。
  
「搾乳室」の表示板の設置は、国土交通省が全国の道の駅での導入を進めたのをきっかけに、スーパーなどの民間施設でも設置が始まっています。21日の見学会には、低出生体重児の母親を支援する全国的な組織のリーダー板東あけみさんも訪れました。
 
坂東さんは、福井のような行政と当事者サークルの連携は全国的に珍しく画期的だとし「県がサークルの母親と一緒にマークを作ったことに意味がある。かわいいイラストを作り、みなの目を引くのは大きな意味がある」と評価します。
  
授乳・搾乳室のマークは県のホームページから申請して使用することができ、これまでに3件の申請があったということです。カンガルークラブでは今後、駅や公共施設、病院などにマークが設置されることを期待しています。

福井テレビ
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