東京都内のレストランでビーフシチューに混入したガラス片を中学生が誤って飲み込む事故が起きた。その場で吐き出したものの、念のため病院で検査したところ、胃の中にもガラス片の疑いがあるものが見つかった。
即座に謝罪を受けたものの、その後の説明や対応に被害者の父親は不信感を抱いたという
好物のビーフシチューにガラス片
今回、イット!が話を聞いたのは、家族との外食で子どもに提供された料理に異物が混入していたという父親だ。悲痛な訴えを取材した。
21日のテーマは「外食でガラス片混入 対応は?ソレってどうなの」だ。

度々ニュースで目にする異物混入だが、東京都に寄せられた令和5年度の最新の異物混入に関する苦情件数は546件に上っている(東京都保健医療局発表)。
そんな中、5月8日に都内で複数店舗を展開するイタリアンレストランを訪れた親子の食事に、異物が混入していたという。

中学生の息子が好物のビーフシチューを注文し食べたところ口の中に違和感があり、吐き出すと約1cmの割れたガラス片が出てきたという。

イット!の取材に応じてくれた中学生の父親のAさんは、事案発生直後に店側から謝罪を受けたという。
被害者の父Aさん:
(謝罪したのは)すごく迅速に対応してくださる方でした。当日もすごく急いで私たちのところに来てくれて、スライディングして土下座をするぐらいの勢いで「本当に申し訳ございませんでした」と言って下さった。すごく真摯に対応してくださる方なんだろうとは、怒りながらも感じていました。
その後、念のため病院のCTスキャンで検査したところ、胃の中から「8mmほどのガラス片の疑いがあるもの」が確認された。

医者からは1週間ほどで自然に排出されるケースが多いと説明を受けたが、息子さんは不安を隠しきれない様子だったという。
被害者の父Aさん:
息子が冗談で先生(医者)に「ぼく死ぬの?」って。(息子)本人は本気だったかもしれません。

その後、Aさんは別の日に改めて本社の副社長や店舗の責任者から謝罪を受けた。しかし、そこで店側から発せられた言葉や対応に不信感を抱いたという。
被害者の父Aさん:
1900何年かに一度、包丁の刃こぼれがどこかの運営している店舗であったそうです。「それ以来、起きたことがないもので」と言われた。「起きたことがないもので」で済まされるのはおかしな話だし、実際に全く関係のない私の卓でガラス片が混入していて、13歳の息子が誤って飲み込んでしまう事案が発生していることにすごく憤りを感じます。
ガラス片が混入した経緯についても「以前グラスをぶつけて一部が欠けてしまった。落下した破片が食器に入った可能性がある」と、店側から説明を受けたという。
その後、店側はお詫びの文書を公表した。
店側のHPより:
2025年5月8日、料理へのガラス片混入により、誤飲される事故が発生しました。お客様に多大なご心痛をおかけしたことを深く反省し、心よりお詫び申し上げます。再発防止と信頼回復に向けて真摯に取り組んでまいります。

Aさんによると当初、店側は異物混入があったことをホームページへの掲載にとどめる予定だったという。しかし、Aさんは「二度と同じことを繰り返さないように」との思いで、お年寄りや子どもなど多くの人が見られるよう、店頭にも掲示するよう強く求めたという。
Aさんは、一連の店側の対応に不安を感じているという。イット!は、この件について店側にコメントを求めた。
店側のコメント:
今回の事故が起きたことは、事実でございます。今回の事実を重く受け止めており、現在は被害に遭われた方との協議を進めている所でございます。会社全体で再発防止に向けて努力しております。
状況撮影と保健所に連絡が王道的な対応
イット!のスタジオでは…
青井実キャスター:
このトラブル、どう対処していきましょうか?
SPキャスターパックン:
アメリカであれば裁判沙汰になってもおかしくないものなんですが、僕はそれは行き過ぎだと考えます。日本の場合は真摯な対応と衛生管理の徹底が前提なんですが、許す文化も大事なんですね。

青井キャスター:
もし自分が当事者になった場合、どのように対応すればいいのか。弁護士の溝上さんに聞きました。
橋下綜合法律事務所・溝上宏司弁護士:
どういった異物が混入していたのかという発見した状況が問題になることがあるので、まず分かっている状況を(スマホなどで)撮影する。その上で店の店員を呼んで店員と一緒に確認。保健所に連絡をするというのが一番王道的な対応になる。そのあと、今回のように病院で診察や検査などを受けて、保健所に通報したときより新しい情報が出てくれば、追加情報も保健所とその都度共有していくことが大事だと思います。

楽しかったはずの外食で起きたまさかのトラブルに、専門家は、慌てず落ち着いた対応を呼び掛けている。
(「イット!」5月21日放送より)