出掛ける前、傘を持参すべきかどうか迷った時に参考にする、降水確率。その正しい解釈をご存知だろうか。知っておくとちょっと便利かもしれない…降水確率の詳細を村田光広気象予報士が解説する。
 

降水確率、どうやって算出?

まず、降水確率とは予報時間内に1mm以上の雨が降る確率のことを指す。1mmの雨は、傘をさしていないとしっかりと濡れてしまう程度だ。
 

降水確率とは
降水確率とは
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過去の統計を元にスーパーコンピューターで計算していて、過去に同様の気象条件が10回あったとしたら、そのうち 3回は雨が降る、というのが降水確率30%ということになる。
 
「降水確率が高いと強い雨が降る」とか「長時間雨が降る」と感じている人もいるかもしれないが、降水確率は「雨の降りやすさ」を表すものであり、雨の「強さ」や「時間」は、一切関係ない。
 

降水確率の算出
降水確率の算出

10%単位が品質上の限界

降水確率は10%刻みで発表されるが、実際の計算では1の位まで計算されていて「1の位は四捨五入」して発表されている。降水確率0%の場合、本当に「0%」であることもあれば「4%」のときもあるのだ。
  
降水確率20%は「15%」のときもあれば「24%」のときもあるし、当然ながら降水確率100%は、本当に「100%」のときもあれば「95%」のときもある。
   
なぜ四捨五入して10%刻みの値で発表するかというと、これは精度の問題。降水確率を算出するための基となるのは「過去の統計」だが、現時点で「統計データ」は60~70年分しか存在しない。1%単位で予報するには、少なくとも百年から数百年単位のデータが必要になると考えられている。つまり、現在の予報技術では、10%単位での発表が品質上の限界なのだ。

降水確率の算出
降水確率の算出

降水確率50%以上で傘マークが登場

天気予報では、降水確率が50%以上になると傘のマークが出る。
 
降水確率が30%、40%のときは、曇りのマークであることが多いが、曇りマークでも、短時間のにわか雨やゲリラ豪雨など、雨が予想されていることがある。その場合は「曇り所により雨・雷」という解説がされることが多い。なので、こうした予報の時は折りたたみ傘を持って出かけた方がよい。
    
降水確率の意味を正しく理解して、天気予報を上手に活用しよう。

降水確率と天気
降水確率と天気
福井テレビ
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