江藤拓農水相(64)が、18日に佐賀市で行われた講演で、「私も米は買ったことありません。正直、支援者の方々がたくさん米をくださるんですね、もうまさに売るほどあります」と発言したことについて、大きな波紋が広がっています。

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19日の午後に取材に応じた江藤大臣は、発言について「正確性を欠いた」と釈明した上で、「売るほどある」と発言したことについては…。

江藤拓農水相:
なかなか会場も盛り上がっていたので…、ウケを狙って強めに言いました。
実は妻から電話があって、怒られました。もう夫婦2人なんで、だいたい頂いた分でまかなえるくらいの量かもしれませんが、「足りなくなれば買いに行っているわよ」と言われました。

コメの価格が高騰する中、コメ不足対策の“司令塔”である人物から出た発言。

街の人からは「売るほどあるなら売ってください」「一般的な感覚とは違う」と言った声が。さらに、都内の精米店に話を聞くと厳しい現状も見えてきました。

「篠原ライス」 篠原秀久代表取締役:
一般顧客向けは、もうほぼほぼ完売している状態ですね。常連さんに対しては、1組5kgまでにさせていただいています。
(江藤大臣の発言については)本当に言わなくていいことを…。自分自身はお米に困っていないから、そういう発言が出ちゃったのかなとは思いますけどね。

法政大学大学院政策科学研究所の白鳥浩教授は、今回の発言について「適格性を欠いている」と指摘します。

法政大学大学院 白鳥浩教授:
これはやはり、適格性を欠いているのだと思います。
今これだけ国民がコメ高に苦しんでいる、物価高って一番何が象徴的かというと「主食」ですよ。例えばガソリンなどはよそから輸入をしているので、色々なことがあってそうなっているのかなと思うのですが、これは農政の失敗なんです。にも関わらずこのような発言をしているのは、ちょっとどうかと思います。

さらに、江藤農水相が講演会の発言の中で、支援者から渡されたコメの中に「いろんなものが混じっている」「黒いやつ」「虫」が入っていたと発言したことにも触れ…。

法政大学大学院 白鳥浩教授:
(これまでの取り組みが)この発言で全部台無しですよ。そもそも消費者として、自分が買ったことがないなら消費者マインドなんて分かるわけがないですし。
もらったお米、生産者の方から頂いたお米に、「黒いものが入っていた」という話をされるのは、そんなに日本の生産者はモラルがないのかという話になってくるわけで、両方に対してつばを吐いている。
これはやはり適格性の問題もありまして、当然、石破首相が決断して罷免するとか、更迭するということを早期にやらないと、大きな問題になってくるだろうと思います。

江藤農水相は、19日に一連の発言を謝罪すると共に全面撤回しましたが、進退については「大いに反省したうえで、何とか結果を出すことで、信頼回復に努めてまいりたい」としています。

「そういう発言をするときはろくなことがない」

「サン!シャイン」のスタジオでは、江藤農水相が釈明の際に「妻」を引き合いに出したことに対して、ゲスト陣から怒りの声が上がりました。

岩田明子氏:
このエピソードを出すのは、過去の政治家の問題で「妻が怒った」ということで収束しているので…、これがまた透けて見えるんですよね。これはいらなかったと思います。

鈴木おさむ氏:
奥さんが買いに行っていると言わせるのは、奥さんがかわいそうですよ。

2025年2月 閣議後の会見で「週2回はスーパーに行く」と発言していた
2025年2月 閣議後の会見で「週2回はスーパーに行く」と発言していた

MC谷原章介:
しかも過去には、スーパーでコメの値段をチェックしている的な発言もしているわけですし…。

スペシャルキャスター 武田鉄矢:
「妻」は大事な、彼にとっては“キーワード”…まぁ普通の亭主どもはみんなそうですけども。「妻が許してくれました」とか、大体そういう発言をするときはろくなことがない。

宮澤智アナウンサー:
なんだか、(妻を言い訳に)逃げているような印象を受けてしまいますよね。
(「サン!シャイン」 5月20日放送)