データ提供 PR TIMES
本記事の内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES (release_fujitv@prtimes.co.jp)までご連絡ください。また、製品・サービスなどに関するお問い合わせに関しましては、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

プレスリリース配信元:株式会社帝国データバンク

「脱毛サロン・クリニック(脱毛業界)」動向調査(2024年度)




株式会社帝国データバンクは「脱毛サロン・クリニック業界」ついて調査・分析を行った。

SUMMARY
2024年度に脱毛業界の倒産件数が18件に達し、過去最多を更新した。高価格モデルの限界、固定費負担の増大、消費マインドの低下が主な原因で、「赤字」の事業者は4割超判明した。賃料や輸入品の高騰、人件費の増加がコストを押し上げる一方、消費者の防衛意識が高まり顧客獲得が困難となっている。5月16日には業界最大手「ミュゼプラチナム」を運営するMPH(株)が債権者から破産を申し立てられるなど、業界全体で信頼回復が急務であり、ビジネスモデルの見直しが求められている。

[注1] 倒産は集計期間:2000年4月1日~2025年3月31日、負債1000万円以上、法的整理によるもの
[注2] 業績等のデータについては、帝国データバンクが保有する「事業者信用調査報告書(CCR)」を基に分析した
脱毛業界、赤字経営が4割超 24年度の倒産は過去最多
知名度の高い脱毛サロンやクリニックの倒産が相次いでいる。2024年度における「脱毛業界」の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は18件発生した。前年度(8件)から倍増し、年度として過去最多を更新した。「銀座カラー」や「トイトイトイクリニック」など知名度の高い事業者が相次ぎ経営破たんし、過去2年間で少なくとも推計延べ30万人の利用者が被害に遭ったとみられる。





脱毛業界では、「高価格モデルの限界」「固定費負担の増大」「消費マインドの低下」の三重苦に直面し、経営難に陥る事業者が増えている。脱毛事業を中心に展開する事業者のうち、損益状況が判明した約50社を見ると、2023年度は4割超が赤字となり、「減益」を含めた「業績悪化」の割合は63.0%と6割を超えた。24年度も損益面で厳しい事業者が多く、4月時点で「赤字」の事業者は43.8%判明した。出店の多い都市部では賃料が上昇しているほか、円安の影響で輸入品が多い脱毛機器の導入費用が高騰し、1店当たりの出店コストが上昇している。スタッフの離職率の高さや採用難により、研修コストを含めた人件費も高止まりしたことで、客数が僅かに減少しただけで採算ラインを下回る脆弱な利益構造が続いている。

こうしたなか、脱毛各社では施術料金の割引やキャンペーン、資金力のある事業者では著名人を起用した宣伝広告に資金を投下し、顧客の獲得を目指す動きが目立った。ただ、昨今の物価高の影響で消費者が美容支出を控える動きが強まったことに加え、近年相次いだ脱毛事業者の経営破たんも背景に、施術の効果や価格、口コミなどを細かく確認するなど消費者の防衛意識が高まっている。結果的に、業界全体への不信感が脱毛に対する消費マインドの冷え込みの一因となり、売り上げを下支えする既存客の再来店率や定額会員の継続率が低下したほか、新規顧客の獲得が困難となった事業者もみられた。特に、急速な多店舗展開を進めていた事業者では既存店が不振に陥り、早期閉店・撤退を余儀なくされたケースも少なくない。





足元では、脱毛サロン・ミュゼプラチナムを運営するMPH(株)が5月16日に従業員等から破産を申し立てられた。破産手続き開始決定が下りた場合、脱毛サロン・クリニックとして過去最大の倒産となる見込み(2番目は(株)ビューティースリー、2023年9月破産、負債80億円)。過去の拡大戦略の反動や固定費負担の増大で、2025年度は減益、赤字を見通す事業者も多く、広告宣伝と高価格な施術コースに依存した脱毛業界のビジネスモデルは限界に達している。業界全体の信頼回復に向けた取り組みが急がれる。

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

PR TIMES
PR TIMES