初夏を彩る美しい花。そこには麻薬の原料となる違法なケシ「アツミゲシ」が混じっている可能性がある。薄紫色の花は美しく、身近なところにも咲くため、県は「見つけた場合には連絡してほしい」と呼びかけている。
美しい花だが実は麻薬の原料
4月から5月に薄紫のかわいらしい花を咲かせる「アツミゲシ」。ポピーやヒナゲシなどと同じケシ科の植物だ。

実はこの「アツミゲシ」。麻薬の原料になる違法な植物。その美しさゆえに違法植物であることに気づかない人も多い。

初夏になると佐賀空港に向かう道路沿いでは約2000㎡の敷地にポピーが咲き誇る。そして違法な「アツミゲシ」も同じ時期に花を咲かせる。

ポピーと似ているが、よく見ると違いがわかる。ポピーを見に訪れた人は、違法な「アツミゲシ」の花が咲いているのを知って驚いていた。
「アツミゲシ」を引き抜き駆除
このため佐賀県は、アツミゲシが花を咲かせるこの時期、週に1回程度パトロールし、見つけた場合には引き抜く駆除作業を行っている。

1日に約2000本のアツミゲシが見つかり、引き抜くこともあるという。
“違法なケシ”の見分け方は
違法なケシはどのように見分ければいいのだろうか。

佐賀県健康福祉部薬務課の寺戸裕一さんによると、「違法なケシは葉のふちが不規則にギザギザになっていて、茎を抱きこむような形で葉っぱが生えているのが特徴」だという。

一方、「違法ではないケシは、葉の切れ込みが深くて茎も抱き込むような形で生えていないという特徴」があるという。
違法なケシ見つけたら県などに連絡を
アツミゲシは、道路の端や用水路の近くなど県内全域で見られる。繁殖力が強いため、風でタネが飛ばされるとすぐに増えるという。

美しい花に混じって身近なところにも咲く麻薬の原料「アツミゲシ」。県は違法なケシが生えているのを見つけた場合には、県の薬務課や保健所、警察に連絡してほしいと呼びかけている。
(サガテレビ)