沖縄県内で相次ぐアメリカ兵による性的暴行事件を受けて9日、日米のフォーラムが初めて開催されました。
県は第一歩としてフォーラムの創設を一定程度評価しますが、新たな再発防止策についての議論は出なかったことから市民団体からは実行性を疑問視する声も上がっています。

9日にキャンプ・フォスターで初めて開催されたアメリカ軍関係者による性的暴行事件の再発防止策について話し合う「沖縄コミュニティパートナーシップ・フォーラム」。
初会合では4月、沖縄市で実施された日米合同パトロールについて那覇市など他の地域での検討することや、新たに着任する兵士にアメリカ軍が実施しているオリエンテーションの内容を更新していくことなどが話し合われました。

一方で、新たな再発防止策については議論が交わされることなく、県も「即効性のある解決策は難しい」という見解を示しました。

溜 知事公室長:
具体的にすぐ即効性があってこれをやったらすぐ解決するというのは今の所解決策を見いだせないというか難しい所だと思います

また、開催は原則年に1回となっていて、個別の課題については関係機関で必要に応じて協議していくとしています。

溜知事公室長:
大規模な四軍全部とか沖縄の関係者全部という話になると少し調整時間がやっぱり必要になってくるので頻度を上げて集まるというのは難しいかなと正直思っています

新たな枠組みが設けられた事について、玉城知事は一定程度評価しています。

玉城知事:
始まったばかりですからねこれからいろいろ提案しながらいい形で関係機関が協力出来たらいいなと思いますね

いっぽう、市民団体からは、これまでの対策を確認する事に留まった事について実効性を問う声が上がりました。

市民団体の男性:
沖縄の事件とか単なる知識の部分をやったり飲酒の講座とか」「これで事件なくなると思いますかありきたりです10カ月かけてなんら新味もないこれまでのただの繰り返し

事件に対する県民の大きな反発を受けて設置されたフォーラムでしたが初開催までには10カ月がかかり、この間にも海兵隊の兵士が基地内で女性を暴行する事件が明るみとなり4月、起訴されています。

被害の実情を訴えるため市民団体からは、フォーラムに女性団体を加えるよう求めていましたが実現はしませんでした。

市民団体の男性:
そこ(フォーラム)にいないのは県民ですよ特に女性団体去年から求めているのに10カ月経ってそういう要求もしない

県や日米両政府の肝入りで実現した新たなフォーラム。

事件の再発防止策は急務であり、実効性のある取り組みとなるのか、県民はその動向を注視しています。

沖縄テレビ
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