神奈川・川崎市のデパートで、鉄道の忘れ物を格安で売るイベントが開催され、傘は50円から、メガネは100円から販売された。忘れ物の再利用を促す取り組みで、SDGsの面でも支持が広がっている。一方、落とした品の写真を送るとAIが候補を提示する新サービスもスタートし、返却率が従来の約4倍に向上している。

鉄道の忘れ物…掘り出し市で傘50円も

物価高が続く中、神奈川・川崎市のマルイファミリー溝口では、家計の救世主となるイベントが開催されていた。

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取材班:
傘などの商品がずらーっとたくさん並んでいますが、実はこれら全て駅や電車の中での忘れ物なんです。

この時期は、ゴールデンウィークが明けて社会が動き出し、落とし物も増えるという。捨ててしまうのは、勿体無いとデパートで販売されている。

誰もが忘れがちな「傘」は50円から、「メガネ」は100円から、また「イヤホン」(50円〜)や「腕時計」も格安だ。中には、「地球儀」(2500円〜)や「ギター」(4500円〜)もある。

取材班:
楽譜を置く譜面台(2500円)まであります!駅の中でオーケストラをしていたのか、これでどうやって忘れたんですかね。

どんなうっかり屋さんが忘れたのか、想像をかき立てられる不思議な品々が取り揃えられていた。イベント開催業者は忘れ物を鉄道会社から買い取り、消毒して販売している。扱う品は多い年で、年間最大7万点にも及ぶという。

20代:
ディズニーシーでしか買えない(グッズ)と、サンリオのカチューシャ。宝探しみたいで楽しい!

80代:
今これ(リュック)買おうかなと思って!安いから!2000円!年金で大変なのにね。

オランダ出身という女性も、こう話す。

オランダ出身(20代):
このままだと廃棄されちゃうから、こっちの方がサステナブルです。

故郷にはないという、SDGsなフェアで実際に彼女が買ったものは、これだった。

オランダ出身(20代):
譜面台です。折りたたみ式、1000円です。この子は、また持ち主を見つけて嬉しいかなと思いました。

会場内は、こうした掘り出し物でいっぱいだ。

ラ・ポーテ 上田浩貴さん:
今まで出てきてビックリしたのは、ベビーカーですね。一輪車も度々あります。品物たちは、喜んでいるのではないかと思います。サステナブルの一環になれば、少しでも社会のお力になれればなと。

AI照合サービスで返却率が4倍に

こうした「落とし物」の再利用が進む中、落とし主の元へ戻す新サービスもスタートしている。

取材班:
落とし物をしてしまった際には、落としてしまった物の写真を送ることで、AIが探し出してくれるんです。

株式会社findが開発したのは、AIが何十万もの落とし物の中から候補を見つけ、オペレーターが落とし主に提案できるという仕組みだ。返却率は従来の3倍〜4倍となり、これまで約170万件の落とし物のうち、50万件以上を届けたという。

find取締役・和田龍さん:
これから梅雨が始まるので、6月は傘の落とし物がすごく増えてきます。なので弊社のサービスが、より活躍できるのではないかと思います。

このサービスは駅や空港だけなく、タクシーやイベント会場なども含め全国約2500カ所で運用されている。

find取締役・和田龍さん:
今後は、その日に利用した駅や空港、イベント会場など一括で検索できるようになる予定です。
(「イット!」5月9日放送より)

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