宮内庁は、上皇さまが精密検査の結果、心臓の筋肉に血流が不足する「無症候性心筋虚血」と診断されたと発表しました。
今後は投薬を行うほか心臓に負荷がかからないよう運動量を調整し、日常生活を送られるということです。
上皇さまは4月の定期検診で、心臓の筋肉に血流が不足する「心筋虚血」の可能性が高いことがわかり、5月6日から東京・文京区の東京大学医学部附属病院で心臓の検査を受け、10日、退院されました。
宮内庁によりますと、心臓の冠動脈のCT検査の結果、自覚症状は無いものの、一定以上の運動負荷がかかると心臓の筋肉に血流が不足する「無症候性心筋虚血」であることがわかりました。
「無症候性心筋虚血」は高齢者に多く、上皇さまは動脈硬化などにより冠動脈の血流が悪くなっていて、今後は血流を改善し動脈硬化の進行を抑えるための投薬を行うほか、過度な運動負荷がかからないよう、転倒防止のために続けている階段の上り下りなどの運動の量を慎重に調節し、日常生活を送りながら経過観察を続けられるということです。
日課の朝夕の散策は今後も続け、心臓への過度な負荷を避けながら筋力を維持できるよう、バランスを取ることが必要で、側近は「91歳という年齢と今の心臓の状態を考えると大変気を付けなければいけない」とし、「これまで以上に医師による慎重な経過観察が必要」と指摘しています。
美智子さまも10年前の2015年に強いストレスなどによる「心筋虚血」と診断され、経過観察をしながら日常生活を続けられています。
ご夫妻は午前中に病院で検査結果について揃って医師から説明を受け、検査や看護に携わった関係者に感謝の気持ちを示されたということです。
上皇さまの体調を案じていた美智子さまは毎日病院を見舞い、一緒に過ごすことでお互いに安心されるご様子だったということです。