春の野菜がピンチだ。

雨と日照不足が続いた北海道では野菜の生育に遅れが出るなど、食卓への影響も心配されている。

最盛期に約50軒から毎日野菜が届く直売所だが

4月26日から今シーズンの営業が始まった北海道江別市の「野菜の駅ふれあいファームしのつ」。

最盛期には近隣の農家、約50軒から毎日、新鮮な野菜が届く直売所だ。

「新鮮でお得な野菜が並ぶこちらの直売所。おいしそうなものが並んでいますが空いている棚もあります」(八木隆太郎フィールドキャスター)

この時期はアスパラやジャガイモなど地物野菜が旬だが、新鮮な品が並ぶ一方で空の棚も目立っている。

新鮮な品が並ぶ一方で空の棚も目立っている
新鮮な品が並ぶ一方で空の棚も目立っている
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1週間から10日野菜の生産が遅れている

「寂しい限りですね。もう少し野菜が溢れている売り場になる予定なんですけれど今のところ、そうなっていない。1週間から10日(野菜の生産が)遅れている。できるだけ地元のものを揃えたいんですけれど」(野菜の駅 福田 正 店長)

この時期13種類ほどの地物野菜の扱いがあるこちらの直売所だが、現在は5種類ほどしかない。

そのため、一部は本州から仕入れに頼っている状況だ。

客も異変を感じていた。

「さみしい感じがします」

「もう少したくさん量があると助かる」

「ブロッコリーが欲しいなと思ってもまだ出ていないからまだかなとは思います」

「あるものを食べようかなと思います」(いずれも客)

本州から仕入れを頼っている状況
本州から仕入れを頼っている状況

畑では一体なにが起こっている?

では畑では何が起こっているのだろうか。

直売所に野菜をおろしている農家に話を聞くと。

「2025年は日照量が少ないのと雨が定期的に降ってしまっているので、なかなか地温が上がらなくて生育が鈍い状態。今時期だと肥料撒いて、トウモロコシの畑を作って植えてる段階だったんですけれど。畑がぬかるんでしまっていて、トラクターが入れたとしても埋まってしまう」(THA芝木農園 芝木 達也さん)

日照量や雨の影響で畑がぬかるんでしまう
日照量や雨の影響で畑がぬかるんでしまう

春の雨と日照不足で野菜の生育に遅れが出ている。

4月の札幌市の気象データを見ると、平年に比べ2025年は日照時間が7割ほどにとどまった上、雨が降った日は20日間と月の3分の2を占めた。

この日の江別市内も朝から雨が降り、外の作業はストップ。

この天候不順が野菜の生育にも影響を与えている。

夏野菜のシーズンにも響く可能性

「ここはアスパラガスの畑で出てきてはいるけれど遅れている。ちょっとこういう白いのとか低温の影響。小さい点があるのが霜の影響。色がついてしまった。霜焼けみたいな感じですね」(芝木さん)

本来は路地ものを出せる時期だったが、遅れに加えて、低温の影響も出始めていた。

さらに、このままでは夏野菜のシーズンにも響く可能性があるという。

「収穫や、今後の作業がずれ込んだ分、作業が重複し立て込んでしまう影響はある。もしかしたら農家の収穫が間に合わないとか、物が溢れて市場の方で値段の崩れがあるかもしれない」(芝木さん)

作物に低温の影響が
作物に低温の影響が

別の農家では葉物野菜にも。

「レタスとキャベツをハウスで生育しているんですけれど、それでも寒いんで例年から比べれば1週間以上遅れてます。直売所が(4月26日)オープンしているんで、それに間に合わせたかった。レタスの場合は日光が必要なんですよ。それによって球が巻いてくる。やっぱり日照が足りない。(Q.良い天気が続けば届けられる?)すぐ、消費者の方にお届けすることができる。待ってるんですこちらも」(萩原俊裕さん)

日光が足りずレタスの成長が遅れている
日光が足りずレタスの成長が遅れている

値上げラッシュの中、農家の努力でお得に野菜を販売できる直売所。

暖かい日が続くことを農家も消費者も願っている。

「野菜の駅ふれあいファームしのつ」5月の入荷予定
「野菜の駅ふれあいファームしのつ」5月の入荷予定
北海道文化放送
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