大型連休明けに気をつけるべきなのが「子どもたちのSOS」。子どもからの相談を受けるNPO法人によると、「不登校」についての相談は、夏休み・冬休みといった長期休み明けに匹敵するぐらいゴールデンウィーク前後も増加しているという。
連休明けに相談が急増
電話やチャットで子どもたちの悩みを受け付ける「チャイルドライン」を運営するNPO法人「チャイルドライン支援センター」によると、大型連休明けには子どもたちからの相談が急増する傾向にあるという。

事務局の陳盈澄(ちん いんすみ)さんは「日常すごく頑張っていて、休みがあると頑張っていた自分に気付いたり、自分の本当の気持ちに気付いたりして、休み明けどうしても行きたくない気持ちが強くなるのではないか」と話す。

「チャイルドライン」への相談件数を月別にみると、5月は7月に次いで2番目に多くなっている。また、相談の中で「不登校」の割合を見ると、夏休みや冬休み明けと並ぶようにゴールデンウィークのあとに大きく跳ね上がっている。
葛藤する子供たち
陳さんは「学校に行きたくない、でも行かなきゃいけない…でもどうしようという葛藤の気持ちや、自分の親や周りの人に迷惑をかけないようにという気持ちの電話が多い。難しいいじめの問題でなくても、誰かに話したい、聞いて欲しいというときは気負わずにかけてきてほしい」と話す。

子どもたちにとっては、進学や進級で緊張する4月が終わってゴールデンウィークでほっと一息ついたところで、もう一度エンジンをかけ直すようなもの。子供たちの居場所づくりも大切になる。
福島市に開校したフリースクール
2024年9月に開校したばかりの福島市のフリースクールにはいま、学校に登校できない4人の子どもたちが通っている。

フリースクールに通う児童は「学校行くのが辛いなって日でも、この場所に来てもすごく自由に過ごすことができるので、友達と遊んだり勉強したり、本当に自由なのですごく楽しいです」と話す。
学びの選択肢を
子どもたちが学校に行けなくなった理由はさまざまだが、学習塾兼フリースクール「地頭塾(じとうじゅく)」を運営する小野寺尭大(おのでら たかと)さんは、辛くなった子どもたちに学びの選択肢を準備することが必要だと話す。

「学校っていう狭いコミュニティで、何かちょっとしたきっかけがあって行きづらいってなった時に、やっぱり子供たち学校に行けなくなるのですね。子どもたちが定期的にしっかりと学ぶ、そういったことができる環境を作りたいなと思って地頭塾を作りました」
不登校の児童・生徒は過去最多に
文部科学省によると、全国の小中学校での不登校の児童・生徒は、34万人を超えて過去最多。不登校の子どもたちに個別の指導計画が編成できる特例制度を新たに作る検討も進んでいる。
福島県内では小学生で61人に1人、中学生で15人に1人の割合で、ゴールデンウィークや夏休み明け、進学や進級の時期には相談が増えやすい傾向がある。

このスクールも子どもたちの「最後の砦」になれるかどうかが課題だという。小野寺さんは「みんながみんな、継続的に来ることができるかと言われるとそうではない。そういった子たちの心のケアをどうしていくかが私自身の課題ですね」と語る。
子どもたちの心と学びを支える場所も多様化な在り方が求められている。
(福島テレビ)