天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは救急医療に関する国際会議に出席し、初めておことばを述べられました。

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午前8時半ごろ、東京都内のホテルに到着した愛子さまは出迎えた関係者と笑顔で挨拶し、「世界災害救急医学会」の開会式に出席されました。

愛子さま:
災害医療の現場では、限られた資源と厳しい時間の制約の中で、一人でも多くの命を救うための難しい判断が求められます。全ての人の尊厳が守られ、適切な医療や保健サービスを受けられる体制の構築は、非常に重要であると考えます。

愛子さまは式典で初めておことばを述べ、「被災者の心のケアを含む健康維持のための中長期的な支援も不可欠」との考えを示されました。

この会議には、約76の国と地域から専門家や若い研究者が出席し、災害時の救護などを担う日本赤十字社に勤務する愛子さまは小池都知事などの挨拶に耳を傾けた後、客席に移り女子高校生による書道パフォーマンスに手拍子を取り、「勇気をもらいました」と話されたということです。

愛子さまが述べられたおことばの全文

京王プラザホテル第2 3回世界災害救急医学会開会式御臨席本日、第23回世界災害救急医学会の開催に当たり、多くの国と地域の災害救急医療の専門家や研究者の皆様と、この開会式に出席できますことをうれしく思います。

世界災害救急医学会は1976年の創設以来、災害対応や緊急人道支援を始め、救急医療、公衆衛生施策、健康危機管理などの分野において、学術面では研究を通じた知見の蓄積や共有、実践面では災害時における医療体制の強化など、両者の質の向上に大きな役割を果たされてきました。災害医療と救急医学の発展に尽力されてきた関係者の皆様に、心から敬意を表します。

災害医療の現場では、限られた資源と厳しい時間の制約の中で、一人でも多くの命を救うための難しい判断が求められます。そして、急性期医療の提供にとどまらず、高齢者や障害者、外国人、妊産婦や乳幼児など、特にサポートを必要とする方々への支援体制の確立や、被災者の心のケアを含む健康維持のための中長期的な支援も不可欠です。全ての人の尊厳が守られ、適切な医療や保健サービスを受けられる体制の構築は、非常に重要であると考えます。

この第23回世界災害救急医学会は、世界中の災害医学や救急医学、保健学、危機管理学等の学術関係者と医療従事者の知見を結集し、災害時の保健医療体制の強化を目的として開催されると伺っています。

近年、世界における災害が激甚化・頻発化する中で、災害医療や救急医学の重要性はこれまでにも増して高まってきていると思われます。阪神・淡路大震災、東日本大震災を始め、数々の大きな災害を経験してきた日本では、災害医療体制に様々な側面から変革を加え、進化させてきました。この会議は、それらの経験とこれまでに得られた知見や技術を共有する貴重な場であり、更なる国際協力を促進する機会として、また、これからの時代を担う若い世代に、皆様の豊かな経験や知識を継承する機会として意義深いものとなることと思います。

この会議が災害医療及び救急医学の進展、並びに国際協力の深化に寄与する実り多きものとなることをお祈りし、開会式に寄せる言葉といたします。
(「Live News days」5月3日放送より)

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