全国で相次ぐクマの出没。5月2日朝、山形・上山市の住宅の庭にクマが現れて居座り、通報から約3時間後、麻酔銃を使って捕獲された。

通勤・通学時間帯にクマが庭で寝転ぶ
クマが出没したのは、上山市長清水にある住宅の敷地内。
2日午前5時40分ころ、この家に住む60代の女性から「自宅の庭にクマがいる」と警察に通報があった。

クマは窓のすぐそばに寝そべり、長い時間動かなかったという。
通勤・通学の時間帯と重なり、一時、付近は騒然となった。

また、クマが侵入した住宅の隣の家では、壊れたフェンスが見つかった。
その家の人の話によると、2日前まではフェンスが壊れていないことを確認できていて、警察はクマが壊した可能性が高いとみている。

クマが庭に居座った家の住人は、「窓のすぐ外にいた。そこから2時間近く。途中、横になって寝るくらい。上山市にクマが出たというのは聞いたことがあるが、まさか自宅の庭に出るとは思わなかった」と話していた。

全国で頻発するクマ被害に県・国の対策進む
現場は上山市立南中学校から北に約500メートルの住宅街で、市は麻酔を使った捕獲を県に要請。
獣医師が駆けつけ、通報から約3時間たった午前8時すぎ、「麻酔銃」を使ってクマを眠らせ捕獲した。

捕獲されたクマは体長約1メートルで、その後、山に戻されたという。
住人や近所の人にケガはなかった。

「麻酔銃」は、2025年2月に新庄市でも使われた。

しかし、県内でクマの捕獲のために麻酔銃を使うことができる資格を持っているのは、山形市の獣医師1人だけ。
県は、近年、市街地でのクマの出没が相次ぐ中、麻酔銃を扱える人材の育成を進めていくとしている。

さらに国会では、4月に「改正鳥獣保護管理法」が成立。
これまで原則禁じられていた市街地での猟銃の発砲について、市町村の判断で可能になることが盛り込まれるなど、頻発するクマによる被害への対策が各方面で進んでいる。

県内では、1日に庄内町の住宅の敷地内でもクマが目撃されている。
今後も県内各地でクマの出没が懸念されるため、十分注意したい。
(さくらんぼテレビ)