大阪市西成区で下校中の小学生7人が車にはねられ、けがをした。
運転手の男は殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されている。

■男子児童6人・女子児童1人が車にひかれる 女子児童は重傷
事件直前の防犯カメラの映像。白い車が児童とすれ違う形で走っていった。
路上に置かれた複数のランドセル。現場には事故を起こしたとみられる白い車。
5月1日午後1時半頃、大阪市西成区千本中2丁目で通行人から「子どもが何人かひかれた」と消防に通報があった。
記者リポート:事故が起きたと見られる現場です。小学校の前の細い路地になります。消防や救急隊員が多く集まっています。
警察によると車にひかれたのは、7人の小学生。
2年生から3年生の男子児童6人、女子児童1人で、いずれも病院に搬送された。
このうち女子児童1人が重傷を負ったが、全員意識はあるということだ。

■近くで見ていたという児童は…
一体、何があったのか。近くで見ていたという児童は…
目撃者(児童):家に帰ろうとしたら、車が遅く、こうやってな、ふにゃふにゃで行って(来て)。ほんでな、俺がギリギリで当たらんかってんけど、それ以外は、ひかれたり、ほんで挟まったりしててん。

■現場は小学校のすぐ近く 児童ら学校を出た直後にはねられたか
事件があった現場は、大阪メトロ岸里駅から徒歩10分ほどの場所で、大阪市立千本小学校のすぐ近くだ。
大阪市教育委員会によると、この日は全学年が午後1時半に下校で、児童らは学校を出た直後にはねられたとみられる。

■目撃した児童によると「車は児童らの列に近づいてはねた」
事故後に現場を目撃した人;5人ぐらいがかすり傷っていうか擦り傷みたいになって、ほんま泣いている子もいっぱいいてて、1人の女の子は血が服も真っ赤ぐらいで座り込んでいて。
事件を目撃した児童によると、車はふらふらと児童らの列に近づいて、はねたということだ。

■逮捕の男「全てが嫌になった…数人の小学生を引き殺そうとした」と話す
警察は車を運転していた東京都に住む無職の矢澤勇希容疑者(28)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕。
調べに対し、「全てが嫌になったから、車で突っ込み、数人の小学生を引き殺そうとした」と話しているということだ。
警察は小学生らを無差別に殺害しようとしたとみて、捜査している。

■現場は小学校の目の前
大阪市西成区の現場から、柴田記者が中継で報告する。
柴田華記者:
小学校の目の前が現場となっています。矢澤容疑者が児童をひいたとみられる車は、今ブルーシートで覆われている場所に、事件後から置かれていましたが、午後5時前にレッカー車で引き上げられました。いま鑑識作業が行われているようですが、ブルーシートで覆われているため中を見ることはできません。
現場に居合わせた、近くでお好み焼き店を営む方によると、事件後に白い車に乗っていた矢澤容疑者とみられる男はぼうぜんとしていて、学校の職員に壁に押し付けられていたということです。
矢澤容疑者は警察の調べに対して『全てが嫌になった』と話しているということですが、東京都の東村山市に住んでいる容疑者が、きょうなぜ大阪市西成区に来ていたのかというのは分かっていません。
また矢澤容疑者が運転していた車は、レンタカーとみられるということで、今後足取りについても捜査が進められるとみられます。

■目撃した児童は「車がゆっくり来てひかれた」と話す
事件について詳しく見ていく。
空撮写真の右側にあるのが、大阪市立千本小学校。
画面の下・北側から、上・南側へと、矢澤容疑者が運転する車は走っていったということだ。この道のどこで接触する事件があったのかは、まだ分かっていない。
午後1時半過ぎ、下校中の小学2年生5人、3年生2人、合わせて7人がはねられ、けがをした。全員意識はあるということだ。
殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたのは、矢澤勇希容疑者、28歳だ。「小学生を引き殺そうとした」と供述しているという。
この辺りの道路の道端は約3メートルで、広くはない印象だ。事件に使われたとみられる車は、レンタカーとみられている。
事件を目撃した児童は、「車がゆっくり来てひかれた」と話している。

■交通事故ではなく殺人未遂事件として捜査
殺人未遂の疑いで矢澤容疑者は現行犯逮捕されたということだ。
関西テレビ 神崎博報道デスク:通常、交通事故であれば地域の警察署が捜査します。しかし結構早い段階で、事故ではなく事件だと、つまり故意なのではないかということで、大阪府警本部の凶悪事件を担当する捜査1課が出てくることになりました。
関西テレビ 神崎博報道デスク:実際に矢澤容疑者は、早々に身柄を抑えられていましたが、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたということです。

すぐに事件性があると判断したことについて、どのように考えられるのだろうか。
菊地幸夫弁護士:いろんな要因が考えられると思います。一つは目撃者です。車が被害者にぶつかっただけでは、よく過失運転致死傷罪、いわゆる交通事故となります。
菊地幸夫弁護士:そうではなくて、例えば自分から児童に対して向かっていったと目撃証言、あるいは被害にあった子供たちが話せるとすれば被害者の供述で車があえて向かって来たとか。あるいは被疑者の供述で、早くから現場で『殺そうと思っていた』ということを言ったとか。そういうもので、殺人未遂という容疑になったのかと思います。
これから容疑者の責任能力についても、調べが行われる可能性はあるのだろうか。
菊地幸夫弁護士:子供さんの証言で、『ふらふらと来た』といったことが出ていましたが、そのような車の動き方からして、何らかの薬物、あるいは精神的に何か問題があったのかといった捜査に向かう可能性は大いにあると思います。
東京の東村山市に住んでいる男が、なぜ大阪の西成で犯行に及んだのか。動機の解明が待たれる。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年5月1日放送)