給食をめぐるトラブルが相次ぐ新潟県上越市で、学校関係者を対象にした食物アレルギー研修会が開かれた。最悪死亡する可能性もあるという食物アレルギー。参加者は児童を守るためにも知識を身につける重要性などを学んでいた。

上越市で食物アレルギー研修「当事者意識を」

上越市で開かれた食物アレルギー研修会には、上越市内の小中学校の教師や保育施設の職員など約400人が参加した。

食物アレルギー研修会
食物アレルギー研修会
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講師を務めた昭和医科大学医学部の今井孝成教授は「食物アレルギーは最悪死亡する可能性がある。皆さんは、まずしっかり当事者意識を持っていただくということが大事」と講演の冒頭で警鐘を鳴らした。

2024年度から行われているこの研修は、23年の食物アレルギー事故をきっかけに始まった。

上越市の小学校でアレルギー物質を含む給食を食べた児童が救急搬送されたほか、24年9月にはアレルギー反応が出た児童に薬を飲ませず、その後、病院に搬送された事案が発生した。

研修会では、食物アレルギーが発症するまでのメカニズムや事故が発生する原因に取り違えや思い込みのほか、能力・知識の不足があると説明。

今井教授は「繰り返し研修をしながら、とっさの時にできる体制をつくっておかなければならない」と指摘する。

給食提供へ万全の体制整備を「真剣に対応考えたい」

4月22日には上越市の小学校でガラス片の入った給食を完全にガラスが除去できたか分からない状態で食べさせていた事案も発生していて、子どもの成長を支える給食の提供には万全の体制を整備することが求められる。

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参加した教師からは「あすは我が身と思っている。学校現場は本当に何が起こるか分からないので、起きたときに、私たちがこれからどのように対応していくかというのは真剣に考えていきたい」「最新のアレルギーがどういうものがあるのかということと、それに私たちが落ち着いて対応するにはどうすればいいかということがよく分かったのでよかった」などの声が聞かれた。

市内の小中学校では今後、研修内容をもとに各学校ごとにアレルギー研修を実施する方針だ。

(NST新潟総合テレビ)

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