「マージャン」といえば、かつては酒やたばこ、ギャンブルといったイメージがつきまといがちだったが、最近は金をかけず、酒も飲まない健康マージャンの普及やプロリーグの創設などで、互いの知性を競い合う“知的スポーツ”へと進化している。スポーツとしてのマージャンの楽しさを伝え、世代間交流に生かそうと、秋田市の男性が「地域リーグ」の開催に向けて奮闘している。

いまやマージャンは“頭脳スポーツ”

秋田市にあるマージャン店「M雀」。

この記事の画像(11枚)

2024年4月にこの店を立ち上げたのが菅原稔さんだ。秋田市職員だった菅原さんは、様々なイベントを開くなどして秋田市のにぎわいづくりに携わってきた。

秋田市職員時代の菅原稔さん(中央)
秋田市職員時代の菅原稔さん(中央)

2024年に市役所を早期退職し、趣味を生かして地域を盛り上げようと選んだのがマージャンだった。

マージャンは、数や文字が書かれた136枚の牌(はい)から14枚を使って絵柄や数字の組み合わせを作るゲーム。

酒を飲みながらマージャンを楽しむサラリーマン(1966年ごろ)
酒を飲みながらマージャンを楽しむサラリーマン(1966年ごろ)

昭和の時代のマージャンは、仕事を終えたサラリーマンの娯楽の一つであり、どうしてもギャンブルや酒、たばこといったイメージがついてまわっていた。

しかし今、マージャンのイメージは大きく変わっている。

そのきっかけの一つが、7年前に創設されたマージャンのプロリーグ「Mリーグ」だ。ギャンブルとの決別を宣言した最高峰のリーグで、公式戦はインターネットテレビで中継もされている。Mリーグを見てマージャンを始める若い世代が増え、知的なスポーツとして人気も高まっている。

M雀・菅原稔さん:
Mリーグは毎日インターネットテレビで100万人以上の視聴者数があるといわれている。マージャンはギャンブルではなく、頭脳スポーツとして捉える。そういうことが世代間交流や秋田のエンタメ文化の発展につながるのではと思い、この店を開いた。雀荘が初めての人でも入りやすい工夫をいろいろとしている。

地域リーグ『秋田MJリーグ』開催へ

昔の雀荘というとたばこの煙が充満しているイメージがあったが、M雀は禁煙で煙はまったくない。

店内は“禁煙”で女性専用トイレも完備
店内は“禁煙”で女性専用トイレも完備

女性専用のトイレも完備している。2024年のオープン以降、利用客の反応も上々で、初めて雀荘に来たという客も増えている。

そして菅原さんが、マージャンにさらに親しんでもらおうと考え出したのが独自の「地域リーグ」の設立だ。

リーグ名は「秋田MJリーグ」。最大9チームを募集し、チーム対抗の総当たり戦を行う。参加資格は18歳以上で、女性と60歳以上の人を含めて6人以上のチームを作る。

リーグへの参加を検討している愛好家も「マージャンは直接話ができるし、顔を見てできるのですごく良いこと。各世代を集めたマージャンの競技があるのは、横のつながりを広げるのにもとても良いこと」と話し、マージャンによる世代間交流の広がりに期待を寄せる。

4月28日時点で5チームのエントリーが決まっていて、5月6日にリーグ開幕を迎える。優勝賞金や個人の賞なども設けられ、白熱した戦いが繰り広げられそうだ。

世代間交流広げるツールの一つに

M雀では、プロリーグで実際に使われている最新式全自動のマージャン卓が使われていて、プロ気分を味わうこともできるという。

「世代間交流と一言で言っても難しいが、マージャンは本当にそのツールとしてぴったり」と話す菅原さん。リーグ戦開幕後も、参加チームが上限に達するまで募集を続けていくことにしている。

「2人だが、何とか参加できないか」という問い合わせも多いということで、菅原さんは「こちらで上手にマッチングして6人以上になるようにお手伝いもしている。ぜひ連絡をしてほしい」と呼びかけている。

年齢を問わず、誰もが楽しめるマージャン。地域リーグでの熱い戦いが今後、秋田を盛り上げてくれそうだ。

(秋田テレビ)

【映像提供】ABEMA/Mリーグ(https://abema.tv/video/title/444-1)

秋田テレビ
秋田テレビ

秋田の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。