こちらは、これから旬を迎える秋の味覚「ギンナン」です。食用だけでなく、街路樹としてもよく見かける、日本人にとって馴染み深い植物ですよね。

9月に入り、まだイチョウの葉は緑色です。

紅葉はまだ先になりますが、ギンナンは収穫の時期を迎えています。そして、収穫が終わる頃からイチョウの葉は黄色く色づき始めます。

私たちにとって身近なイチョウの木ですが、あまり知られていない驚きの生態があります。
イチョウにはオスとメスがある
皆さんはイチョウの木にオス・メスがあることをご存知でしょうか?

この写真はオスとメスの木なんですが、簡単にオスとメスを見分ける方法があります。

ギンナンの実がなる方がメスなので、実の重みでメスの木の枝は下がってきます。そのため、枝が下がっている右の木がメス、左の木がオスだと見分けることができます。

日本樹木医会・理事の小林明(こばやしあきら)さんによると、実がなるまではオスとメスの区別がつかず、植樹の際も性別が分からないまま植えているそうです。そんなイチョウの木はどう栽培されているのでしょうか?
とくダネ!は、ギンナンを生産している三鷹市の山本果樹園さんを取材しました。
勝手に受粉? イチョウ驚きの生態
山本果樹園さんでは、約400本のイチョウの木を育てているそうなのですが、そのうちオスの木は何本あると思いますか?

実は、たったの1本なんです。このようにオスが少なくても、イチョウの花粉はとても小さいので、風に乗って何kmも飛んで行くことができます。さらに受粉作業も必要ないんです。
そのため、敷地内にオスの木が1本あれば、勝手に400本が受粉してくれるそうです。小規模な果樹園では、オスの木がないところもあるそうです。
山本果樹園さんでは、9月17日からギンナンの収穫が始まり、9月末には販売が始まります。そして、11月ごろにはこのような美しい紅葉を見ることができます。

紅葉の時期も待ち遠しいですが、その前にこれから旬を迎えるギンナンを美味しく食べられるのが楽しみですね。
(とくダネ!『あまダネ!』9月18日放送)