はたして価格は落ち着くのか。
北海道やJAなどは4月22日、2025年度のコメの生産目標を見直し、当初より2万トン近く多い約51万4千トンに増産することを決めた。
コメの価格は高止まりが続く
「備蓄米を出しても店頭価格が下がらない。責任を重く感じている。申し訳ないと思っている」(江藤拓農林水産相)
高止まりが続くコメの価格。
江藤農林水産相が22日、謝罪した。

今年度は増産を決定
こうした中、北海道内で動きが。
「事務局案の通りで異議ありませんか。この内容で決定し各地域協議会に提示したいと思います」
北海道やJAなど6つの団体でつくる専門部会は22日、コメの増産を決めた。
当初(2024年12月時点)は49万7000トンだった2025年度の生産目標。
2万トン近く増やし、51万4141トンに見直したのだ。

北海道産米の安定供給につなげられるか
こうした背景には備蓄米の放出が関係していた。
「(2024年12月は)備蓄米のことは想定されていなかった。北海道米の安定供給に支障が生じかねないので」(道農政部生産振興局の花岡弘毅局長)
備蓄米は原則1年以内にJAなどの集荷業者から(放出時と)同じ量を買い戻すのが条件。
北海道産米を安定して供給しつつ、この買い戻しによるコメ不足を回避する狙いがあった。

値段が落ちつくのは秋頃か
今後、コメの価格はどうなるのか。
「値段は秋に、そんなに先に行かないうちに落ち着くのでは。ただし(以前の)1.5倍の水準です」(北海道大学の坂爪浩史教授)
備蓄米放出後も15週連続で平均価格が上がり続けているコメ。
その理由とは。
「(農家の)生産コストの赤字分を今、回収している最中。少なくとも国産米をこれからもずっと食べ続けるとすると(消費者は)今は我慢のしどころ」(坂爪教授)
日々の食卓に欠かせないコメ。価格はいつ落ち着くのだろうか。

1年弱でコメの価格「約2倍」
2024年6月は2169~2255円だったが、徐々に上がり続け、同年9月に3114円に到達。
その後も上昇は止まらず、2025年3月に4077円、そして、4月7日~13日にかけては4217円になった。
コメの価格は、わずか1年弱で約2倍になったことになる。

家庭や企業の買いだめで価格が高止まり?
備蓄米が放出されてもコメの価格が下がらないワケは。
農産物の流通に詳しい北海道大学の坂爪浩史教授は「生産コストが上がったのに加え、家庭と企業のストック買いにより、価格が高止まりしている」と分析。
その上で、北海道米の生産目標がより増産となることで、「秋までに、5キロあたり3750円くらいになる可能性もある」と話した。
