2025年2月、体長10mを超えるとみられるマッコウクジラの骨が新潟県上越市の海岸に漂着した。日本海側では非常に珍しく、今後、貴重な資料として科学館に展示される。
“マッコウクジラの骨”漂着に驚き「本当に日本海側にいた」
上越市の柿崎中央海水浴場。多くの関係者により、クレーンで慎重に吊り上げられる大きな物体の正体は、25年2月に漂着したマッコウクジラの骨だ。

上越科学館の永井克行館長は「マッコウクジラは日本海側にはほとんどいないはず。目撃例もあまりなく、しかも骨があがるのは大変なこと」と驚きを隠せない。
新潟市水族館マリンピア日本海展示課の石田茉帆さんは「1個1個のパーツのスケールが全然違うので、今回携わらせていただき、良い経験になった」と話す。
海水浴場に打ち上げられたのは、下あご、後頭部、胸骨、肋骨の4つで、骨の大きさなどから体長10m以上、体重60tほどのオスのマッコウクジラと推定されている。

日本海側でのマッコウクジラの目撃数は非常に少なく、これほど大きな骨が漂着するのは過去に例がないという。
国立科学博物館研究主幹の田島木綿子博士は「これだけ大きなマッコウクジラのオスが本当に日本海側にいる、いた、という証明ができた。博物館みたいに、みんなが来ることができる場所で今後、展示なり、教育普及の材料になるのは非常に良いこと」と話す。
“貴重な資料”に…年内の展示開始に向け準備!
骨は貴重な資料として展示するため、上越科学館に運び込まれ、汚れを落とすとともに、カビが生えないよう洗剤を使い丁寧に洗浄されていく。

マッコウクジラの生息域を示す貴重な骨を永井館長は大人から子どもまで多くの人に見てほしいと話す。
「これをきっかけに、生物研究の方向へ進む子どもや市民の皆さんに関心を持っていただくことは科学館としては一番良いこと」
上越科学館はマッコウクジラの骨の年内の展示開始に向け、準備を進めていくことにしている。
(NST新潟総合テレビ)