サイズや見た目の問題で市場に出回らない規格外野菜。廃棄されるものも多いが、そんな野菜をお得に食卓に届ける環境にも財布にも優しい取り組みを取材した。規格外野菜の活用で喜んでいるのは、消費者だけではないようだ。
市場に出回らない“規格外野菜”を販売
新潟市南区にある雑貨店の一角で販売されていた野菜。価格を見ると、大きいサイズのキャベツが一玉なんと210円で販売されていた。

買い物客は「安かった」「スーパーだと400円くらい、半分までいかないけど安かった」などの声が聴かれた。
一体なぜこの価格で販売ができるのか…野菜を販売する『ここのやさい』の伊藤春陽さんは「長さや太さが揃わないネギとか、あとは一気にとれすぎちゃって売り場のないような野菜といった規格外の野菜を中心に扱っている」と説明する。
安く販売されていた野菜の正体は、サイズや見た目の問題から品質の安定や効率的な流通のための出荷規格から外れてしまった規格外野菜だったのだ。
伊藤さんは、こうした市場に出回らない野菜を農家から一括で買い取り、販売している。
1650円で1週間分の野菜をお届け!
また、販売店だけでなく、野菜の定期便として1週間分の野菜を宅配するサービスも展開。市場では野菜の価格が上下していても、週に1回、定額で野菜を届けている。

伊藤さんは「6種類の野菜を入れ、1650円でお届けしている。日割り換算すると、そんなに高くないかなとは思う。2025年の年明け、キャベツ・白菜がかなり高いというのが大々的に報道されて、そのときに問い合わせとか新規のご注文が増えた」と話す。
農家にとっても大きなメリット
一方で、メリットを感じているのは、農家も。
かんもりファームの神田大樹さんは規格外野菜について、「出荷はできないので、自分で袋詰めをして、地場産の直売所とかで売る。それでも残ったり。そうなると廃棄しかない。もったいない」とその扱いについて悩んでいたと明かす。

こうした規格外野菜の活用に「『形は崩れているんだけど』と言うと、『全然いけます』と言ってもらえるので救世主」と笑顔を見せた。
伊藤さんは「皆さんの健康のために、野菜をできるだけたくさん無理なく食べてほしいなと思うので、そこに貢献できるような、なおかつ農家さんの野菜とか作るものが正当に評価されていくような事業にしていきたい」と意気込んでいた。
(NST新潟総合テレビ)