22日夜、石破首相は物価対策について会見を行い、ガソリン・軽油について、「リッターあたり10円の引き下げ」を5月22日から実施すると発表した。
また、需要が増える夏への対応として、電気・ガス代についても7月から3カ月間引き下げるため、支援するとしているが、具体的な内容については「来月中に決定する」と述べた。
これまで「給付金」や「減税」に国民の期待が高まっていた中でこうした施策が、まず提示されたことについて、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下徹氏は「現金給付見送りは世論調査の結果」と指摘するとともに、「消費税の上げ下げはできる」と「食品の消費税ゼロ」の実現を訴えた。

■現金給付“見送り” 「国語力ないのか?」橋下氏の指摘
(Q.なぜ現金給付を見送った?)
橋下徹氏:現金給付見送ったのは世論調査ですよ。ただこれも国会議員がちょっと理解不足なのか、国語能力ないのか、世論調査では『一律の現金給付』という質問に対して、みんなが『それ反対』ってやってるんですよ。要は高額所得者まで配るのかってことですよ。中低所得者に配るっていうのは、僕は賛成の方が多いと思うんだけれども。

■世論調査では賛成が37.5%、反対55.3%という結果
世論調査(4月12日、13日 共同通信)では、賛成が37.5%、反対55.3%という結果だった。
橋下徹氏:共同通信はどういう質問だったんだろう。でも一律給付は、僕も反対です。高額所得者までに配る必要無いと思うんですけど。いや物価対策で現金給付があるっていうのは、1つありだけど、ただやっぱりマイナンバーと口座がまだひもづいてないし、所得情報もきちんと把握してないから結局、荒い給付の仕方しかできないんです。もうこれコロナ禍から一体何年たってんだっていうんですよね。

■減税は「やるべき!」 効果がどうであれ、1回やってよ
減税は実現しないのだろうか?
橋下徹氏:減税の方は、世論調査賛成の方が多いんですよ。やればいいんですけども結局、国会議員は『消費税の上げ下げ』っていうのは、もうできないもんだって固まってるから。もうみんな色んな有識者や、学者や、財務省の役人から色々言われて、自民党の政府与党の政治家は『消費税を上げ下げできないもんだ』って。でも海外でやってるんですよ。
現在、さまざまな野党から減税を求める声が上がっている。
橋下徹氏:ただ今度これを下げたところで、『野党の手柄になるだろう』っていう自民党の考え方もある。
(Q.7月の参院選の争点は“減税”になりうる?)
橋下徹氏:なると思いますよ。ただ日本国民ってあんまり『減税、減税』って言うだけでは、過去あんまり票にはなってないです。これ本当ね、もう日本国民って懸命だなと思うのが、他の国だと『減税』とか『現金給付』ってみんな票を集めるのに、今まで『減税』とか言うと、あんまり票が伸びないんですよね。
橋下徹氏:でも僕、食料品の消費税ゼロは絶対やるべきだし、効果がどうであれ、『税率の上げ下げ』をできるんだと、今まで『できないもんだ』と思われてたけど、なんかやったって大したことないやんかと。これもう色んな学者とかが言うには、『消費税の上げ下げやったら国が、国家が破滅する』ぐらいなことを言うわけです。できるんですよ、こんなの。やってよと。

なお国民1人当たり5万円の給付金には財源がおよそ6兆円、食品の消費税率をゼロとするのは、およそ5兆円かかるとされている。
橋下徹氏:(食料品の『消費税ゼロ』は)一応、5兆円の財源でできると言われてるから。もしかすると税収が増えるか分からない。5兆円、6兆円なんて、今までの日本の予算の枠組の中からしたら、これぐらいのお金が出るんです。
だから石破さんがもう総理をずっと続けるってことを考えずに、次の選挙で変わってもいいから、与野党一緒になって。
しかも国会の『期間が足りない、足りない』って言うんですけど、6月末までやろうと思ったらできるんです。今までの政治の慣例に従わずにやれば。石破さんも『最後』これぐらいやってほしいなあ。

■自民党の内乱を納める切り札 “殿ご乱心になること”
減税に関しては自民党内でも意見が割れているという。
自民党No.2の森山裕幹事長は「(財源の)裏付けのない減税政策は、国際的な信任を失う」と慎重派。
一方で、前経済安保大臣の高市早苗氏は「『減税』や『賢い政府支出』の必要性。財政拡大は景気押し上げ、むしろ税収は増収になる」としている。
橋下徹氏:ずっとこの話、『国際的な信用を失う』って言ってるけど、コロナ禍の時には、100兆円ぐらい国債出してるんですよ。全然、信認失われてないじゃないですか。いま日本の景気っていうのは、ちょっと徐々に上向きになってるんで、5兆円や6兆円のお金、日本の国が使えなくてどんな国なんですかこれ。税収10兆円以上、上振れしてるわけで、いや5兆円、6兆円ぐらい、政治家頑張ってよ!それぐらい国民のために。
(Q.石破さんに党内の意見をまとめる力はない?)
橋下徹氏:やっぱり政治って、本当に政治力が全てなので今、石破さん力はないんでしょうけど。この時の最後の切り札は、もう“殿ご乱心”になることなんですよ。僕は知事、市長時代も役人に囲まれた時に、“ご乱心!”っていうことをよく言われてましたけども、もう振り切るしかない。振り切りまくったら、もうみんな『あ、そういうもんなんだ』って変わってくるんで。
青木源太キャスター:振り返れば小泉総理の郵政解散ですよね。まさに周りは猛反対、全員重鎮も反対。
橋下徹氏:1回やればいいの石破さんも、“ご乱心”!

■外国人観光客の免税を廃止すべき
こうした中、「外国人観光客の免税を撤廃」という財源案が、にわかに注目されている。
訪日外国人客には宿泊、飲食などを除いて免税となっている。
これについて大阪府の吉村知事は、「免税を廃止すべき。外国人の方に、一定の消費税はお願いするのが筋だろう。数千億円の財源が生まれてくる。インバウンドが減ることはそれでもないと思う」と述べている。
国民民主党の玉木代表も同じように「免税は廃止すべき。外国人観光客にも消費税を払ってもらってはどうかなと。将来的に6000億円の税収が見込める。購買力ある訪日客なので消費行動に影響はない」と述べたそうだ。
青木源太キャスター:去年の訪日外国人観光客3687万人、その消費額8.1兆円。もうちょっと税金とれるんじゃないかという考えです。
橋下徹氏:外国人観光客、僕らが外国に行った時にも、免税が当たり前のように感じるじゃないですか。でもロンドンは免税やってないんですよ。ロンドンは免税やってないのに、観光客は減ってないんですよ。
だからその国に魅力があって、しかも日本は今円安なんで、ドルベースで考えたら外国人からすると、ものすごい何から何まで安いから、僕は二重価格制度推進派なんですよ。日本国民と外国人価格を分ける派なんですけど、これは『差別につながる』という意見が多いんですよ。だったら消費税とったらいいんですよ。そうしたら日本国民に対しても、外国人に対しても同じようにとれば、これだけの財源がある。
これは僕の後の大阪府知事、大阪市長の松井一郎さんの持論で、吉村さんにかなり説明してました。僕も聞いてたんだけど、吉村さん『んー』って色々考えてた。松井一郎さんは菅元総理にもその話をしたら、菅さんは『免税を廃止にしてしまったら、外国人観光客インバウンドが減ってしまうじゃないか』と。吉村さんは色々考えて、ここで決断したんだと思いますね。『これ減らない』と、今の状況で。
国民民主党の玉木さんも今、それ言ってるからちょっと同調で行こうとしてるんじゃないか。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年4月23日放送)
