アメリカのトランプ政権による相互関税や物価高対策をめぐり、与野党内では現金給付や減税を求める声が上がっている。

「消費税減税やるべき」橋下徹氏
「消費税減税やるべき」橋下徹氏
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関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、経済対策案について解説した。

物価高対策などを受け、国民への支援策は「現金給付」が良いのか、それとも「減税」の良いのか?

橋下徹氏 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より
橋下徹氏 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より

与野党ではこのような案が浮上している。

◆現在浮上している経済対策案

・現金給付
1人当たり4~5万円もしくは10万円を給付する案

・減税(食料品の消費税について)
国民民主党は一律5%に引き下げる
日本維新の会は2年間限定で、食料品の消費税を撤廃、0%に

・商品券
何にでも使えるプレミアム商品券、お米券、自治体判断で発行

関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より
関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より

■日本人は賢明「定額給付金を評価しない」 

【橋下徹氏】「効果としてはどちらでも同じような感じなのかなと思うんですけど、ただ僕、日本国民ってやっぱり賢明だなと思うのは、現金給付に関しては、一律の現金給付に反対というか、評価してない人が5割以上」

【青木源太キャスター】「昔と違うってことですか?」

【橋下徹氏】「日本人は定額給付金とか、そういうことはあんまり評価しないですよね。世界各国見ると、選挙前になるととにかくお金を給付して、これで選挙で当選して行くってのが多い中で」

【青木源太キャスター】「安易に飛びつかない?」

【橋下徹氏】「日本人は一律給付については、たぶん日本人の感覚としたら、『高額所得者まで給付する必要ないんじゃないの』っていうところがあると思います。現金給付やる時に、今の日本のシステムでは所得を緻密に見ていって、“この収入の人の所まで配る”っていうのができないんですよ。今の日本のシステム。

これデジタル化でそれをすぐ作ればいいのに、コロナ禍からずっと言われてきたのに、いまだにそれができてない。だから今、現金給付やろうと思うと、一律給付になってしまう。だから僕は、そこは問題点」

【青木源太キャスター】「マイナンバーカードが機能していれば、その人の収入と口座がひもづいていれば、瞬時にそれがわかる?」

【橋下徹氏】「できる!でもこれが、その国民のその収入を全部マイナンバーカード、マイナンバーにひもづけるのは、今そういう議論になってないわけ。情報取られるっていう。銀行口座も全部そこに引っ付けるっていうのは、まだ今そうなってないんですよ」

橋下徹氏(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より)
橋下徹氏(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より)

■「消費税を上げ下げできる日本を見てみたい」

【橋下徹氏】「消費税の減税の方なんですが、僕は将来的なことを考えても、やるべきだと思ってます。何かというと消費税を課しているヨーロッパなんかは、国民が苦しいときとか景気が悪いときには税率を下げるんですよ」

【青木源太キャスター】「柔軟に上げたり、下げたりできるんですね」

【橋下徹氏】「でも日本は絶対にそれをやらない。一度下げたら、上げられないからということで。

『いや一度下げてしまうと、もう二度と上げられないから』って政治家が言うのはだらしない。

政治家の覚悟で、そのときの状況とか関係なく必要だったら上げればいいのに、政治家がみんなそれできないから、『消費税は触りたくない』っていうのは政治家の気持ち。

でも国の運営方法として、国民が困った時には消費税上げたり、下げたりをできるような国にしなきゃいけないから、僕はこれ挑戦してもらいたい」

【青木源太キャスター】「食料品に限るという話と、消費税全般という話もありますけど、この辺りは?」

【橋下徹氏】「消費税全般にしてしまったら、さっきの高額所得者が得するという話まで行きついてしまいます。高額品を買ったときにも、ものすごい消費税が下がるから。半分になってしまうからね。

だったら食料品ということにして、これは高額所得者であったとしても食べる量はだいたい決まってますから、だいたい同じだけの減税になるということで、僕は食料品に限っての減税、0%。

これで大体5兆円のお金が必要だっていうんですが、5兆のお金なんか充分ありますから。だって税収がもう10兆円以上増えてるんですよ。だから5兆円ぐらい国民に還元するのは、もう当たり前の事なんじゃないですか。ただ政治家がやっぱりようやらないですね。

あとは今、野党がみんな減税、減税って言ってるので、もし減税してしまうと野党の手柄になっちゃう。選挙前に。自民党が主導したというより、野党に言われてやったということになるから、自民党の方は『これ選挙のために有効なのかな』って、また選挙のことばっかり考えてる」

橋下徹氏(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より)
橋下徹氏(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より)

■「”ガンガン”トランプさん圧力かけてほしい」

選挙のことを優先するよりも、国民のことを優先してほしいものです。

【橋下徹氏】「財務省が消費税を下げることについて猛反対した理由の1つが、“値札を変えるのが大変だ”っていう理由があるんです。そんなことない!商店の値札なんか、それぐらい何個でもやりますよ」

【青木源太キャスター】「事務手続きは、減税にしろ現金給付金もかかるじゃないですか。手間暇みたいな部分は、もうちっちゃいことですか?」

【橋下徹氏】「ちっちゃいことだと思いますよ。現金給付の時は、コロナ禍の時にもっと仕組みを整えていればできるのに、やっぱり莫大なお金がかかります。

ただやっぱり将来のことを考えれば、消費税の上げたり下げたりを『できるやんか』っていうのは、僕は見てみたい。

この十何年、ずっと僕も政治家の時、言い続けてましたけど、それは『できない』っていう頭になってる。『もう消費税を上げたり下げたりすると、大混乱する』と。

『やってみようよ』と。僕はだからここは、”ガンガン”トランプさんに圧力かけてもらいたいです」

橋下徹氏(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より)
橋下徹氏(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より)

■参議院選挙に向けた手柄に夢中「政治家がだらしない」

(Q.もし減税案が通ったら、どのタイミングで減税される?)
【橋下徹氏】「今までの慣例から、『法律がすぐ間に合わない』って言うんですけど、やろうと思ったら、今から減税案を出して、ここですぐ可決って、やろうと思ったらできるんですよ。

できる!

それを”うんちゃらかんちゃら”言って、『もうこれは参議院選挙が終わってからじゃないと』、『法律の臨時国会開けない』そんなこと言うんだけど、もう政治家がだらしないね」

【青木源太キャスター】「選挙のことじゃなくて国民生活のことを考えてほしいのは分かるんですけど、野党側が減税を言ってる時に、与党側が減税やっちゃったら、ある意味、争点潰しみたいな戦略もあるじゃないですか?」

【橋下徹氏】「そこで国民がどう思うかですよね。でも『自民党のおかげ!』みたいな感じにならないでしょ。だからまあ与野党一緒にやったとか、野党の手柄とか。今もう参議院選挙前だから、いかに自分の手柄をアピールするかっていうところにも各党必死になってるんで、だから『国民のために』っていうのは、その通りなんですけど、もう政治家の気持ちとしてはまず自分の当選」

【青木源太キャスター】「7月に参院選があります。その前にトランプ大統領とアメリカとの関税に関する折衝もあります。その辺りも注目して行きましょう」

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年4月16日放送)

青木源太キャスター、橋下徹氏(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より)
青木源太キャスター、橋下徹氏(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」より)
関西テレビ
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