農水省が21日、スーパーのコメ5kg平均価格を4217円と発表し、15週連続で最高値を更新した。備蓄米放出や韓国からの輸入で上げ幅は鈍化したが、いまだ値下がりにはつながっていない。値上げを検討する飲食店が相次ぐ中、大手牛丼チェーン「松屋」は、22日より10円から100円の値上げを行う。

備蓄米流通でも価格上昇止まらず

青井実キャスター:
先ほどスーパーのコメの価格が発表され、15週連続で最高値を更新しました。下がるかなと思ったんですけど、なかなかですね。

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岩田明子キャスター:
備蓄米の流通も本格化してきましたし、韓国からの輸入の動きも出ていますが、なかなか価格が下がらないですね。

青井キャスター:
飲食店では、苦渋の値上げをする店が相次いでいるようです。

コメの価格を巡っては、業者間での最新のコメ取引価格が8カ月ぶりに下落。久しぶりにコメの価格が下がる兆しが見えていた。

こうした中、農水省は21日午後5時頃、全国のスーパーで販売されたコメ5kgあたりの平均価格が4217円だったと発表した。

これでコメの価格は15週連続の値上げとなり、最高値を更新したが、ここ数週は価格の上がり幅が鈍化している。

発表されたばかりの最新のコメ価格について、買い物客に話を聞いた。

買い物客(70代):
一向に下がらない。今は4000円じゃ買えない。買わないわけにはいかない、食べなきゃしょうがない。

買い物客(60代):
厳しい。高いことが買い控えになる。どうして安くならないんでしょう。安くなってくれれば私たちは助かるが、安くならないのはどういう仕組みなんでしょうね。

飲食店では依然厳しい状況が続いている。

お昼時には大行列ができる、東京・品川区の「洋食ブルドック」を取材した。

創業70年以上の洋食店で、名物は350gもあるボリューム満点のメンチカツ定食。肉汁があふれ、肉の香りやうま味が広がるメンチカツの横にあるのは光り輝く大盛りのご飯だ。また、たっぷりのチキンライスをふわふわの卵でとじたオムライスも名物だ。

客:
メンチカツもジューシーでおいしい。お米もすごくボリュームあっていい。しっかり食べたいですよね、お昼は。このくらい食べると満足です。

客:
お米をいっぱい食べたいです。お米をおかわりしました。

店ではゴールデンウィークを前に、コメなどの原材料や光熱費などの高騰により、値上げを考えているという。

洋食ブルドック・鈴木智子女将:
おかわりの100円はできなくなるかな。現実的に。ご飯のしめる部分はすごく多い。オムライスが看板メニューで結構ご飯を使います。少しでも(コメ価格が)下がってほしい。ご飯が一番基本じゃないですか。食生活の上で。

訪れていた客も、値上げをせざるを得ない状況に一定の理解を示しているようだ。

客:
ボリュームもあって、リーズナブルでおいしいから来ている。どこも値上がりしてるので本当にしょうがない。正直使えるお金を圧迫しちゃうかな。「今日食べるものの値段を考えないと」と思うが、その分仕事頑張る。

客:
コメの価格が上がってるからしょうがない。このお店に結構来るので、存続を考えたら値上げしても仕方ない。値上げしても来店します。

大手牛丼チェーン松屋が値上げ

また、コメなどの原材料価格高騰を背景に、22日から大手牛丼チェーンの「松屋」が10円から100円の値上げを行う。

牛めしの並盛りは30円アップの460円になり、さらに深夜料金の導入店舗も拡大する。

食卓や財布に大きな負担となるコメの価格高騰。農水省は23日にも備蓄米の3回目の入札を行うとしている。

コメの価格はいつになったら下がるのか、日本中が注目している。
(「イット!」4月21日放送より)

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