警戒レベルは上から2番目のまま
「反転して増えているんですね。これをどう捉えるかが非常に難しいと思っているんです。これが一過性のものなのか、上がっていくのかまだわかりません。上がっていくと急速に感染拡大する、その可能性は十分あると思って、それを我々としては強く危惧しておりまして」
会議後、国立国際医療研究センターの大曲医師は現状のあやうさをこう話した。
きょうの東京都新型コロナウイルスの「モニタリング会議」では新規感染者数の7日間平均が、前の週の149人から181人に増えたことから「増加傾向が続くことへの厳重な警戒が必要」と分析しつつも、状況を見極める必要がある、として感染状況についての警戒レベルを、先週に引き続いて、上から2番目の「感染の再拡大に警戒が必要であると思われる」のままとすること決めた。

10代以下の家庭内感染が増加
感染経路はここ最近の傾向と変わらず、全ての世代の合計で、家庭内感染が最も多くなった。前の週の37.4%から32.9%に減ったとは言え、およそ3割を占めている。中でも、10代以下の家庭内感染は前の週の54.4%から68.5%に大きく増えた。
会議では「一旦、家庭内に新型コロナウイルスが持ち込まれると、感染を防ぐことは困難」としたうえで「まずは家族以外との交流における基本的な感染防止対策の徹底が必要である」と改めて警鐘を鳴らした。
「医療機関側としては、一息つくことができないまま、また増加への体制を整えないといけないという状況になっています」東京都医師会の猪口副会長は、医療機関の負担が長期化し現場が疲弊していることを改めて訴えた。
医療体制についても前の週と同じく上から2番目の「体制強化が必要である」となったが、入院患者数が依然として高い水準であり、次のインフルエンザ流行期の感染者数再増加への備えが必要、との指摘もあった。
「GoToトラベルも国と協力して進めていきたい」
このギリギリの状況で10月1日から始まろうとしているGoToキャンペーンの東京参加。小池知事は会議後に「国と協力して感染防止対策など、GoToトラベルも国と協力して進めていきたい」と述べた。

今週末から始まる4連休で感染者がどのくらい増えるのかは10月初旬に見えてくる。その結果次第で“参加中止”となってしまわないように、外出先でも1人1人の感染予防対策の徹底が求められている。
(執筆:フジテレビ社会部 都庁担当 小川美那)