急性中毒で死に至ることも

摂取量が増えていくと、胃の粘膜を痛めて胃炎などを引き起こします。さらに量が増えると心臓に影響を与えます。常に心拍数が高い状態になったり、心臓が活発化するにもかかわらず酸素の供給が追い付かなくなり、不整脈が起こったりする場合もあります。

まれではありますが、一気に摂取しすぎると急性中毒になって亡くなってしまうことも。その多くが突発的な不整脈による心停止です。

ただ、死亡事故になりうる量は5gと言われていますが、それをコーヒーで取ろうとすると、1時間以内など短時間に100杯近く飲まなければならないので、到底できません。カフェインによる急性中毒のほとんどが、眠気覚ましのカフェイン錠剤や風邪薬の大量服用(オーバードーズ)で起こっています。

風邪薬をオーバードーズするとカフェインの急性中毒で死亡することもある(画像はイメージ)
風邪薬をオーバードーズするとカフェインの急性中毒で死亡することもある(画像はイメージ)

ただ、取り方によっては命を失うこともあるとはいえ、カフェインが切れて周囲に当たり散らした、カフェイン欲しさにコーヒーチェーンに強盗に入った、というような話はあまり聞いたことがありません。

そういう意味では、カフェインは比較的リスクの低い依存性薬物だとも言えます。

ちなみに、体が慣れて量が増えていくことを「身体的依存」と言います。一方、その物質を手に入れるために涙ぐましいほどの努力をしてしまう、価値観が変わってしまうほどのめり込んでしまうことを「精神的依存」といいます。たとえば、たばこが吸えなくてイライラして周囲に当たる、アルコールで散財してしまう…などです。

カフェインは、身体的依存はあるが、たばこやアルコールのような精神的依存はかなり少ないと言われています。