政府の備蓄米の入荷が各地で始まっていますが、コメの価格高騰は続いています。さらに「海苔」も値上がりしていて、日本人のソウルフード・おにぎりも高騰しています。
■セブンイレブンは4/15から値上げ…街の人「昔は100円とかだった」
三重県津市の米卸業者「ミエライス」に10日午前8時ごろ、政府の備蓄米が到着しました。コメ袋には「備」のひと文字がプリントされています。

ミエライスの西本吉春専務取締役:
出荷の方は来週16日の予定です。できるだけ早く消費者の方にお届けして、少しでも安く購入していただけたらなと。
政府は9日、7月まで毎月、備蓄米を放出すると表明しました。
コメの価格安定へ、期待感が高まっていますが、日本人のソウルフード「おにぎり」の価格高騰が続いています。
セブンイレブンは4月15日から、定番の「昆布」と「梅」を、いずれも162円から178円に値上げすると発表しました。

街の人:
昔は100円とかで売っていたやつが、今は安くても150円とかになっているから。どこのコンビニでも2割引とか何十円引きとかやっていて、これを利用すればそんなに変わらないかなと。
別の人:
どんどん高くなっているような気がするんですよね。やっぱり食べたいですから、そこはもう割り切ります。
■専門店も最大50円の値上げを決断 店「苦肉の策」
名古屋市中川区のおにぎり専門店「よってこ米(まい)!」では、店で仕込んだ「しぐれ」や「とりからマヨ」など、およそ15種類の手作りおにぎりを販売しています。

愛知県産コシヒカリなどをブレンドした「ご飯」に、有明産のうまみの強い海苔を使ったこだわりのおにぎりですが、コメの高騰に加え、おにぎりに欠かせない“海苔”も値上がりしていて、仕入れ値は2024年に比べて3割ほど上がっているといいます。

鈴木康夫社長:
高いですね。具材も含めて、お米、海苔、非常に価格が上がっています。苦肉の策として、4月の中旬から値段の改定を考えております。
この店では、4月中旬から1個あたり20円から50円ほどの値上げを決めました。
■海苔の価格 約5年前に比べると「2.5倍」背景に有明海の生育不調
おにぎり店を直撃する海苔の価格高騰の理由について、創業95年、名古屋市中村区にあるのり問屋「荒木海苔店」に聞きました。

荒木隆史社長:
有名な一大産地なんですが、有明の生産がちょっと芳しくない。
ここ数年、海苔の生産量のおよそ6割を占める九州の有明海で、生育が不調になっているということです。
雨が少なく、良い海苔が育つための栄養が海に流れなかったことなどが原因で、海苔全体の相場が上がっているといいます。

荒木隆史社長:
4月頭、3月終わりの平均価格で(1枚)25円ぐらい。2020〜2021年の全国平均価格をみますと、だいたい(1枚)10~11円ぐらい、2.5倍ですね。
販売も手掛けるこの店でも、2024年、看板商品「のり子さん」シリーズの価格を2割ほど引き上げたばかりです。このままではさらなる値上げを検討せざるを得ないといいます。

荒木隆史社長:
“海苔離れ”というのは、実は海苔に携わる者全員が危惧しているところです。値段を上げることは直接消費者の皆さまに響いてしまいますので、「じゃあ、海苔なくてもいいよね」というような感覚になってしまうのを、われわれとしては非常に懸念しているところです。
(東海テレビ)