福島県とJR東日本が共同で開催する国内最大規模のキャンペーン「ふくしまデスティネーションキャンペーン」、通称「DC」は、2026年のメイン開催を前に2025年4月から「プレDC」が始まった。温泉とフラのまち・いわき市湯本では、観光客の獲得を目指し「新しい魅力」を発信しようとしている。
コスプレ×温泉旅館
福島県いわき市・湯本温泉「旅館こいと」で楽しめるのが「コスプレイヤー応援プラン」(※和室は7300円から1万5000円・全身鏡やアイロンも完備) もちろん温泉もおすすめなのだが、古い部屋の雰囲気はまさに映えスポットとなっている。

コスプレーヤーのぬこみみさんは「50回以上は来ていると思います。ロケーションが四季折々たくさんあるのと、やはりコスプレが終わった後に温泉に入れるというのが一番の魅力」と話す。

さらに「旅館こいと」では、チェックインのときに「ふくしまプレDCで来ました」と伝えれば、期間限定で福島の日本酒を1杯サービスしてくれるという。
新たな顧客層の開拓
旅館こいと宗像達鷹さんは「今、旅行の形というか、皆さんの遊び方がどんどん多様になっている時代。新たな顧客層の開拓をしたい」と話す。

いわき湯本温泉では、東日本大震災前に年間・約60万人だった観光客が3分の1ほどに減少し、30軒以上あった旅館の数も半分ほどに減った。
駅周辺の再開発で新風を
新たな風を巻き込もうと、いわき市では2031年度の運用開始を目指し、飲食店や公共施設、観光案内所などが入る複合施設を計画するなど、JR湯本駅前周辺の再開発を進めている。

いわき市創生推進課の松本大介さんは「駅前には空き店舗や空き地が増えて来ています。街の方々や学生、観光客が楽しんで過ごせるような場所を作っていきたい」と語る。
湯本温泉・名物フラ女将も一役
そして、湯本温泉といえば…温泉宿の女将たちが着物でフラを踊る「フラ女将」を忘れてはならない。フラ女将は、プレDC期間中にフラダンスステージを企画するなど、観光客の誘致に気合十分だ。

いわき湯本温泉・湯の華会の副会長も務める若松久美子さんは「フラで街を元気にしようということで、「フラ女将」と名前を付けて街のPRしている。震災後に沈んだ街を、復興に向けて頑張っているところを見てもらいた」と話した。

湯本がつくってきた魅力も、これからの新たな魅力も思いっきり伝えたいと、ふくしまデスティネーションキャンペーンが起爆剤になることを期待している。

前回、福島県で実施されたデスティネーションキャンペーンでは、県内への経済効果が約295億円という試算がある。
6月までの「プレDC」も福島県内で280もの特別企画が用意されているので、福島の魅力が全国、そして世界に伝わってほしい。
(福島テレビ)