分身の「アバター」が搭乗案内

大きなモニターに映し出される乗務員姿の女性。これは羽田空港にある日本航空の搭乗口で15日から始まった実証実験、「アバター式リモート案内サービス」だ。

乗務員姿のアバター:
お待たせいたしました。
ただいまより全てのお客さまを飛行機へご案内致します。
どうぞ搭乗口よりご搭乗ください。

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このサービスでは、パナソニックの技術を活用し、アバターを介して、リモートで搭乗客の案内などを行う。

アバター:
続きまして、優先搭乗のご案内を致します。

アバターを操作し音声を発しているのは、別室のスタッフだ。

スタッフ:
事前改札のご案内を致します。

別室でスタッフがアバターを操作
別室でスタッフがアバターを操作

利用客の質問にも対応

リモートで搭乗案内ができるほか、利用客の質問にも、対面ではなく遠隔地から答えてくれる。

利用客:
この搭乗分のマイルを付けたいんですけれども・・・

アバター:
ご搭乗券にJMBお得意さま番号が印字されておりますので、搭乗マイル登録済みでございます。

自宅などの遠隔地からでも、オペレーター業務ができる環境をつくりたい」という日本航空。

その狙いは...。

多様な働き方を推進

日本航空 デジタルイノベーション推進部・桑田陽介さん:
深夜に及ぶような働き方などがあり、“仕事を続けるのが厳しい”とか、そういう社員がいないわけではない。働き方の選択肢が増えることによって、長く働き続けられる職場にしていきたい。

本来の目的は、多様な働き方を推進することにあったアバターだが、新型コロナウイルスの影響で高まる非接触ニーズにも対応できると期待している。

日本航空は、およそ2週間の実証実験を行ったうえで、導入を検討するという。

業務効率化で“リアル接客”を充実

三田友梨佳キャスター:
羽田空港の新しいおもてなし、渡辺さんはいかがですか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
これから5Gの時代が進んでいくので、アバターを介した接客などは増えてくると思います。
これは「テレイグジスタンス(遠隔臨場感)」といわれるもので、離れた場所から自分の分身を遠隔に操作できることを指しています。

三田友梨佳キャスター:
接客もずいぶんと変わっていくようですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
今回、接客側がテレイグジスタンスで効率化が図られるんですけど、効率化されることによって人と時間が空いていくので、リアルな客対応がより深く、よりおもてなしができるという部分にもなってきます。

三田友梨佳キャスター:
フェースツーフェースの時間をもっと避けるということですよね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
そうですね。今後は、「効率化された接客」と「質の高まったリアルな接客」を客がニーズとコストに合わせて選べる時代が来ると考えます。

三田友梨佳キャスター:
利用する側もメリットが大きいと思いますが、働くみなさんも働き方の選択肢が増えるというのはいいことだと思います。特に女性が多い職種ですから、子育て、介護だとか働きたくても働けない人の1つの選択肢になることも期待されます。

(「Live News α」9月15日放送分)