野菜が高騰するなか、消費者と農家どちらも頭を悩ませる問題が発生している。
収穫を控えたブロッコリーやキャベツなどの野菜がヒヨドリに食い荒らされ販売できなくなる被害が大分県内で起きている。
こうした被害は毎年確認されているのだが、2025年の被害は特に甚大だという。農家の声を取材。

多い日はヒヨドリ500羽が襲来 収穫前の野菜の約3割が被害に
日出町の畑では、農作物を食い荒らしている鳥が…。ヒヨドリだ。
「例年2月くらいからヒヨドリが来るんですけど、ことしは特にひどい」
こう話すのはブロッコリーや白菜、キャベツなどを育てて直売所で販売している徳久裕司さんだ。
畑では収穫前の野菜が、ヒヨドリに食い荒らされ販売出来なくなっている。
爆竹など大きな音を出してヒヨドリを追い払っているが、多い日は500羽もやってくるため効果はあまりなく、収穫前の野菜の3割ほどが被害にあったという。
徳久さんからは「(野菜が)被害を受けるとそれだけ収益が下がるので行政の方もヒヨドリ対策してくれないかなと思っている」と悲痛な声が聞かれた。

「ヒヨドリが飛んできては、つついて」を毎日繰り返される
ヒヨドリによる被害は国東市の畑でも…。
本来であれば今、収穫のピークを迎えているキャベツ畑では、すべて食い荒らされている。
約1.6ヘクタールの畑で、加工用のキャベツを栽培している松原雅之さんも「見事に食べられているような状況。ヒヨドリが飛んできては、つついてっていうのを毎日繰り返されていまこのような状態になっている」と途方に暮れている。

被害額は約300万円にのぼる
畑のそばにはヒヨドリが羽を休める止まり木が多く、2月末ごろから収穫前のキャベツが食い荒らされて出荷出来なくなったという。
被害額は約300万円にものぼる。
松原さんは「来年に向けてリセットして頑張っていきたい」と述べた。

日本野鳥の会「夏の暑さなどが影響しているのでは」
ヒヨドリが例年よりも多く確認されていることについて日本野鳥の会大分県支部は「夏の暑さなどの影響で、山の木の実などが少なく、人里に出ているのでは」と話している。
