1周14分の路線に約20時間乗り続けた…

千葉県佐倉市を走り、不動産事業などを手がける山万株式会社が運行している「ユーカリが丘線」。
全部で6駅あり、ユーカリが丘駅を出発してから戻ってくるまでの1周が14分、距離は営業キロベースで5.2キロ。

地域住民の便利な「足」となっているが、このユーカリが丘線を始発から終電まで約20時間乗り続けた、ひがし(らすかる)(@nexco_east_n)さんのTwitterの投稿が話題になっている。

1周目 ユーカリが丘0431発 山万 ユーカリが丘ゆき こあら3号

9月7日、このように投稿したひがし(らすかる)さん。一日乗車券を前日に買い、午前4時31分、ユーカリが丘駅発の始発に乗り始まった”20時間耐久“。

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そして、記念すべき1周目が終了したことを知らせる投稿をし、順調に5周、10周、15周と積み重ねる。

しかし、午前9時36分にユーカリが丘駅を出発した18週目では、「正直ご迷惑をおかけしている自覚しかないし、4:31から始めて4:40くらいからずっとやめたいです。」と弱気になる投稿もあり、自ら始めたチャレンジだが葛藤していることがわかる。

その後、ひがし(らすかる)さんの投稿が次第に話題になり、運営会社の知るところとなって、支援に乗り出した。
30周目に突入すると、車内では冷房が効いていないことから、運営会社の山万の副社長から飲み物の差し入れをもらう。差し入れで体力を回復しラストスパートに備える。

そして、午前0時22分発のユーカリが丘駅発の最終電車に乗り終え、”20時間耐久“は終わった。
始発から終電までの間、64週、乗車累計時間15時間12分、開始からの時間20時間5分、合計乗車距離332.8キロとなった。

ひがし(らすかる)さんはSNSで盛り上げたことから、最後はユーカリが丘駅で山万から感謝状をもらい、式典まで行われた。「個人が勝手にやっています」としていたチャレンジが、運営会社から感謝されるというる最高の形で終わった”20時間耐久“。

1周14分ではそれほど風景も変わらないと思われるが、なぜ”20時間耐久“をしようと思ったのか。ひがし(らすかる)さんにお話を伺った。

街づくりに感銘を受けていたため

ーーなぜ始発から終電までの20時間、ユーカリが丘線を乗り続けようと思った?また、なぜユーカリが丘線だったのか?

元からユーカリが丘線という路線に興味があったのと、山万という会社の街づくりに感銘を受けていたためです。また、普段行くことの無い地域の路線だったから、ということもあります。

ーー実際に始発から終電まで乗り続けてどのような感想を持った?

時間帯によって様々な方が乗車されていて、地域に密着した路線だなと感じました。非冷房とはいえ、慣れてくると意外と快適でした。

ーー途中で辞めようと思わなかった?

最初は途中で辞めても良いかなと思っていましたが、たくさんの方が興味を持ってくださったことで、最後までやってみようと強く思えるようになりました。

休憩は列車の折り返し時間のみ

ーー休憩はどれくらい取った?

休憩は列車の折り返し時間のみです。食事は車内で食べるのは迷惑なので折り返し時間に待合室等でいただきました。

ーー電車に乗っている時は何をしていた?

主に車窓を眺めていたほか、ラジオを聴いたりしていました。

ーーツイートを見た方との交流などはあった?

地元の方や遠方からの方など、多くの方々が直接お越しくださり、差し入れなどをいただきました。ありがとうございました。当然ながらほとんどの方から「なぜやろうと思ったんですか?」という言葉をいただきました。

感謝状は、お忙しいところ申し訳ないという気持ちが強かった

ーー一番辛かったことは?

ラッシュ時間帯は折り返し時間が短いことから2、3時間お手洗いに行けない時もありました。とはいえ熱中症などのリスクもあるので水分補給をどこまでするのかの見極めが難しかったです。

ーー山万の社員の方から感謝状をもらい式典も行われたが、どのように思った?

ただただ思いつきで勝手に行動をしていただけでしたので、お忙しいところ申し訳ないという気持ちが強かったです。夜分遅くにありがとうございました。

ーー今後は何か挑戦したいことはある?

今のところ具体的に思いつくものはありませんが、今後も自分が面白いと思うものを人知れずやっていきたいと思います。

きっかけは、山万の街づくりに感銘を受けたためだという”20時間耐久“。
ちなみに、ユーカリが丘の街づくりは開発当初から、まちの成長と新陳代謝を図る「成長管理型」を掲げている。長く暮らすことを考えた独自のしくみが豊富で、家族の成長ステージに合わせ、ユーカリが丘内で住み替えを安心してできる「ハッピーサークルシステム」は、2018年のグッドデザイン賞を受賞している。

続いて、山万にも感謝状を贈った経緯などについてお話を伺った。

話題にしてくれたことにお礼をしたい!

ーーひがし(らすかる)さんが始発から終電まで電車に乗り続けていると知ってどのように思った?

非冷房の山万ユーカリが丘線に始発から終電まで乗り続けることに驚きと感謝を感じました。一方で、暑い車内で熱中症等の危険がないよう、安全にご乗車いただけるようにささやかな差し入れをさせていただきました。

ーー始発から終電まで電車に乗り続けているのはどのように知った?

Twitterの運用上、毎日各方面から様々な情報収集を心掛けています。その中でひがし(らすかる)さんの存在を知りました。その上で一部の方から存在を知らせるリプライが届くようになり 、状況をより具体的に知ることになりました。

ーーその後、ユーカリが丘線への反響はあった?

今回の話題をもとにユーカリが丘線に乗りに来られた方 、写真を撮りに来られた方は多く見受けられました。さらに、ユーカリが丘線の公式Instagramのフォロワーの数も通常期に比べて増加しました。

ーー感謝状と式典はいつどのような経緯でやると決めた?

ひがし(らすかる)さんが、ローカルな路線である山万ユーカリが丘線に一日中乗っていただいたこと、そしてそのことを話題にしてくださったことに、弊社として何か御礼がしたい思いがありました。あくまで個人でやられているというご本人のご意見も尊重し、ささやかな感謝状の贈呈と式典を行わせていただきました。

今回のチャレンジは、無事に達成した上、多くの人を巻き込み、盛り上がったのだから成功といっていいだろう。
ひがし(らすかる)さんにとってもユーカリが丘線にとってもいい思い出になったに違いない。
 

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