アメリカのトランプ大統領の大統領令に基づき、ケネディ元大統領の暗殺事件に関する機密文書、通称『ケネディ・ファイル』の未公開部分が18日、新たに公開されました。
アメリカ国立公文書館のホームページ上に新たに公開されたのは、1963年にテキサス州ダラスで起きたジョン・F・ケネディ元大統領(当時46)の暗殺事件に関する機密文書1123点です。
「ケネディ・ファイル」と呼ばれるこの文書の全文は500万ページ以上に及び、およそ99%がすでに公開されています。
トランプ大統領は今年1月、これまで黒塗りにされ隠されていた部分も含め、再編集や要約をせず、「全文」の公開を命じる大統領令に署名していました。
現地メディアによりますと、18日に公開されたのは未公開の8万ページのうち、3万1000ページあまりにとどまり、一部内容が隠されていた文書もありました。
アメリカ政府は暗殺事件が元海兵隊員のリー・ハーベイ・オズワルド容疑者による単独の犯行だと断定していますが、その従来の判断を覆す新たな内容はありませんでした。
ケネディ大統領の暗殺については、アメリカでは長くCIA=中央情報局やロシア、キューバなどが関与したとする様々な陰謀論がささやかれていたため、今回の公開に関心が集まっていましたが、文書は冷戦時代のスパイ活動の実態や陰謀論の存在には触れたものの、それを裏付ける内容は確認されませんでした。
トランプ大統領は第1次政権でも文書の公開を目指していましたが、当時のポンぺオ国務長官らに止められ断念した経緯があります。