東京・新宿で流行の発信地の一つとして親しまれてきた商業施設「新宿ミロード」が16日、40年にわたる歴史に幕を下ろした。新宿アルタに続くランドマークの閉館。新宿ミロードがあった場所には新施設が4年後に完成予定で、新宿の街並みは今後さらに変わりそうだ。

40年の歴史に幕「新宿ミロード」が閉館

16日午後8時、小田急SCディベロップメントが運営する新宿ミロードが閉館した。その瞬間を多くの人が見送った。

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新宿ミロード 大津秀樹支配人:
新宿ミロードに足を運んでくださいました全てのお客さまに、心より感謝申し上げます。40年間、本当にありがとうございました。

「新宿ミロード」は、ヤングの情報発信基地をコンセプトに、ファッションアイテムや飲食店など123店舗が出店し、若者たちで賑わった。

なかでも、駅の西口と南口をつなぐ「モザイク通り」には雑貨店が連なり、歩きながら買い物を楽しめる新宿の名所の1つとなった。

別れの瞬間を目に焼き付けようと訪れていた人に、どんな思い出があるか話を聞いた。

50代:
高校のときにバイトしていた。ずっと学生時代から、1984年に(新宿ミロードが)できて、それからずっと通っていたので結構泣きそうです。友達と来たこととか、その時代時代の仲間と来たのも思い出しつつ見てきました。

40代:
20代の時にめっちゃお世話になりました。一人で来ることが多かった。特に目的なくてもフラフラしによく来ていた。ちょうどいい青春の場所。最後の瞬間に立ち会えて良かった。

話題となったCM
話題となったCM

最近は、開業当初から現在までのお客さんのファッションが時代によって変化していくCMも、話題になっていた。昭和のアイドル風の髪型やポケベルを見る女性、コロナの時代を表したのか、眼鏡が曇るマスク姿といった、その時代のファッションが再現された。

40年前から変わらず若者たちに寄り添い続けてきた新宿ミロード。閉館から一夜明けた17日も、別れを惜しむ人が写真を撮りに来ていた。

50代:
壊しちゃうのかなって。まだはっきりしてないけど、記念に撮りました。あっち(バスタ新宿側)から見る風景も好きだったので寂しい。

70代:
世の中変わっていく。若者向けの何かになっちゃうのかな。昭和の私たちにはちょっとあれ(残念)かな。

文化発信型の施設造りが重要に

青井実キャスター:
パックン、皆さん寂しそうな感じもありました。

SPキャスター パトリック・ハーランさん:
実は僕、よくここ通るんですけど、ミロードがミロードで、マイロードじゃないのを初めて知ったし、モザイク通りは通るけどゆっくりしたことないんですよ。何か、こうなると悔しいです。生まれ変わったら、ぜひ思い出作りたいなと思います。

青井キャスター:
惜しまれつつ閉館となりましたが、2月に閉館した新宿アルタに続いて、新宿を象徴するファッションビルの閉館です。専門家の東京都市大学・西山敏樹准教授に、新宿はどんなふうに変わっていくのか伺いました。

東京都市大学 西山敏樹准教授:
今は非常に移行の時期になってきている。新宿は両脇に渋谷と池袋があって、両方の街がそれぞれ変化を出してきている。新宿だったら逆に何ができるのかを、考えていかないといけない時期に来ている。

では、具体的にどんな街になるのか。

東京都市大学 西山敏樹准教授:
新宿の強みは、各方面から鉄道が乗り入れていていることと、「バスタ新宿」ができて地方から非常に安価で新宿に出てきやすいということがあり、若者が集まるとかインバウンド需要で外国の方に合うような、文化発信型のような施設造りは大事になる。

新宿ミロードがあった場所には地上8階、高さ約50mの商業施設や駅施設などが建設される予定で、4年後の2029年の完成を目指している。
(「イット!」3月17日放送より)

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