宮崎県内で飲酒運転が増えている。警察は、特に若い世代で飲酒運転による事故が多いとして、歓送迎会シーズンを前に注意を呼びかけている。飲酒運転は、同乗者・酒を提供した店・車を貸した人にも罰則が科せられる。今一度、気持ちを引き締めて、自分のことも周りの人も守れる行動を。

3月1日、宮崎県都城市で道路を歩いていた高齢の男性が軽乗用車にはねられ死亡した。軽乗用車を運転していた21歳の女は、酒気を帯びた状態で車を運転していた疑いで逮捕された。
飲酒運転の検挙数はコロナ禍前の水準に

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行して以降、飲酒運転が増加している。警察によると、宮崎県内の飲酒運転の検挙数は新型コロナ流行前の2019年は401件。その後感染拡大に伴う行動制限により減少傾向だったが、2024年は394件と前年に比べて108件増加。コロナ禍前の水準近くまで戻っている。中でも、飲酒運転による事故が多い年代が…。

宮崎県警本部交通企画課 小森誠課長補佐:
飲酒運転による人身事故で、20代が多いということはハッキリ言える。

宮崎県内で2020年から2024年にかけて発生した飲酒運転による交通事故のうち、20代は約3割を占め、年代別で最も多くなっている。
宮崎県警本部交通企画課 小森誠課長補佐:
若者運転者の特徴として、運転の経験は少ないが、自分の運転に過信している傾向がある。若さゆえ、自分の体力に自信があるせいか、「これくらいなら大丈夫」という意識がある

アルコールによって脳の働きが鈍ることで、認知・判断・操作の能力が衰えるため、飲酒運転で事故を起こした場合、より重大な事故につながるケースが多いと言う。

宮崎県警本部交通企画課 小森誠課長補佐:
全国の過去5年の統計を見ると、飲酒運転の死亡事故の割合は、飲酒なしの死亡事故の割合より約7.6倍高くなる。これから歓送迎会も増えてくる。飲酒会合はちゃんと楽しんで、次の日のことを考えて、深酒しない、飲みすぎないということが大事。
同乗者・店・車を貸した人・自転車にも罰則
飲酒運転はお酒を飲んで運転したドライバーだけでなく、同乗者・酒を提供した店・車を貸した人などにも罰則が科される。

2024年11月には自転車での酒気帯び運転も厳罰化され、4カ月の間に宮崎県内では6人が検挙されているということだ。軽い気持ちで飲酒運転をして取り返しのつかないことになるかもしれない。
「お酒を飲んだら車や自転車を運転しない」
「お酒を飲んだ人には運転させない」
警察は「お酒を飲まない人も犯罪に加担する可能性があるため注意してほしい」と呼びかけている。
(テレビ宮崎)