2月17日夜、宮崎市橘通り沿いにある飲食店のビルなど建物2棟が全焼する火事があった。けが人はいなかったが、多くの人でにぎわう中心市街地に煙がたちこめた。密閉性が高いビルでは煙が充満しやすく、すぐに屋外に出られないというリスクもある。ビル火災から身を守るための心構えとは。

ビル火災で白い煙が上がり続ける

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プロ野球キャンプシーズン真っ只中の2月17日、午後8時10分ごろ、宮崎市橘通西3丁目の飲食店の従業員から「店内から煙が出ている」と消防に通報があった。現場には、多くの消防車両や警察車両が駆け付け、周辺に煙が立ち込める中、消防などが避難を呼びかけるなど一時、騒然となった。通報から約2時間経っても、依然として白い煙が上がり続けていた。

警察によると、火は約3時間半後に消し止められたが、飲食店が入る3階建てのビル1棟と、その隣の木造2階建ての空き店舗1棟が全焼した。当時、飲食店の中には、従業員と客あわせて31人がいたが、火事に気付いて避難し、けが人はいなかった。

店内にいた客:
煙が充満して、靴を置いていたけど、靴が分からなくて、みんなスリッパとかでとにかく逃げた。

店の従業員:
最終的に避難するときには、煙が充満していた。息ができないくらい。

付近の店の従業員:
煙がちょっと焦げ臭かった。普段と違うような、建物が燃えるような臭いだった。

火災のあとの強烈な臭いは、一夜明けても変わらなかった。

早瀬純哉記者:
あちらが火事のあったビル。3階部分の壁が一面燃えて、崩れ落ちているのが分かる。そして一夜明けた現在も、現場には焦げくさい臭いが漂っている。

警察と消防は実況見分を行い、1階の調理場が火元であることを特定した。警察は、引き続き火事の原因を詳しく調べている。

ビル火災から身を守るには

宮崎市の中心市街地を騒然とさせた今回の火災。宮崎市消防局の担当者にビル火災について話を聞くと…。

宮崎市消防局予防課 上米良悠司主幹:
規模的にはちょっと大きい火災になる。ビル火災ということで、火元の特定も難しかったのではないか。

火災は3階建てのビルで発生した。ビル火災の特徴は…。

宮崎市消防局予防課 上米良悠司主幹:
密閉性が高いということで、煙が充満しやすい環境にあると思う。また、煙が縦方向にかなり早いスピードで動くので、建物自体に煙が充満しやすい特性がある。

実際に、火災発生当時、店内にいた人は…。

店内にいた客:
当時は煙が少し出ていたが、5〜6分くらいで煙が広がった。我々が出たあとに火があがったみたいなので、命の危険を感じた。

宮崎市消防局予防課 上米良悠司主幹:
火災はまず煙が発生して、それが一定の温度や濃度に達したときに燃え広がるのが一般的な傾向。一般の建物であれば、すぐ屋外に出られる環境があるが、ビル火災になるとなかなか地上まで避難ができないのが怖いところ。

火災から身を守るために取るべき行動は…?

宮崎市消防局予防課 上米良悠司主幹:
飲食店などビルに入られる際は、自分が入ってきた経路はもちろんだが、避難経路がどこにあるかということを最初に把握していただくところが大事だと思う。臭いだったり、煙だったり、そういったものを感じたら、普通じゃないということで、必要がある場合は避難していただくということが大事。

ビル火災の注意呼びかけ

今回の火災を受け、宮崎市消防局は橘通り周辺にある3階建て以上のビルおよそ50棟を回り、飲食店の従業員などにビル火災の危険性や注意点を呼びかけた。

飲食店経営者:
誘導がスムーズにできるか懸念があるので、日ごろから考え直さなければいけない。

宮崎市消防局は飲食店に対し、避難経路を確認し、避難の妨げになる障害物を撤去することなどを呼びかけている。

(テレビ宮崎)

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