熊本市で試運転が行われている自動運転バスについて、熊本市は3月21日から客を乗せた実証運行を始めるとともに、2027年度にはさらに高いレベルでの自動運転の運行を目指す方針を示した。熊本市議会では自動運転バスへの期待の一方で、1月に起きた試運転中の事故を受け懸念の声も上がっている。

1月の事故は自動運転バスに過失なし

熊本市で1月に起きた事故は、試運転中の自動運転バスに後ろを走っていた路線バスが追突したというもの。自動運転バスは修理や検査を終え、実証運行を行う熊本城周回ルートで3月4日から試運転を再開している。

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3月12日に開かれた熊本市議会・都市整備委員会で紫垣正仁委員(新風熊本)は「心配なのが中心市街地、熊本城周辺ということで、いきなり渋滞の多い街中で、本当に大丈夫なのかというところを非常に危惧する」と発言。

落水清弘委員(自民党)は「(1月の)事故の過失割合を教えてください」と質し、都市建設局の大川望交通企画課長は「過失割合は10:0です」と自動運転バスに過失がなかったことを明らかにし、落水委員は「まずそれを言ってもらえますか。自動運転バスを始めること自体、私は喜ばしいことだと思っている」と述べた。

熊本市は、自動運転バスの運行を路線バス事業者に改めて周知するとともに、ルート沿線の27カ所に走行を知らせる看板を設置したと述べた。

2027年度には『レベル4』を狙う

松本幸隆委員(熊本自民)の「最終的に熊本市が目指す運転レベルについてお尋ねしたい」の質問に対して、大川交通企画課長は「運転士不足への対応を考えると、レベル4をしっかりと狙っていくことが必要になると思っている。2027年度をめどに狙っていきたい」と述べた。

熊本市執行部は、2027年度には『レベル4』特定の条件下での完全自動運転を目指す方針を明らかにした。

そして熊本市はこの日、現在試運転を行っている『レベル2』オペレーターが乗った状態で手動運転の介入も可能な水準での実証運行を3月21日に開始すると明らかにした。

(テレビ熊本)

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