プラズマクラスターが新型コロナに有効と実証

新型コロナウイルスの感染拡大がいまだ収まらない現在。

そのような中でシャープは9月7日、空気清浄機などに搭載されているプラズマクラスター技術が、空気中に浮遊する新型コロナウイルスの減少に効果があることを世界で初めて実証したと発表した。

シャープの発表によると、長崎大学感染症共同研究拠点・安田二朗教授(兼 熱帯医学研究所教授)、同研究拠点・南保明日香教授(日本ウイルス学会理事)、および島根大学医学部・吉山裕規教授(日本ウイルス学会理事)と共同でプラズマクラスター技術搭載ウイルス試験装置を作成。

この装置を用い、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」に対し、プラズマクラスターイオンを約30秒照射することで、感染性を持つウイルス粒子の数が90%以上減少したということだ。

資料提供:シャープ
資料提供:シャープ

同社によるとこのプラズマクラスター技術は、2004年にコロナウイルス科の「ネココロナウイルス」、翌2005年には「新型コロナウイルス」と姉妹関係にある「SARSコロナウイルス(SARS-CoV)」に対する効果も実証しており、今回新たに、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」に対する効果を実証したことになるという。

新型コロナウイルスの対策として、期待できる研究結果が得られたわけだが、もちろんこれは、ある1つの条件での試験結果となる。市販の製品での試験は行っておらず、シャープの製品ですぐに効果が得られるというものではないという。

シャープの公式Twitterでも「希望は感じていただきたいけど、過度の期待は禁物だ」と呼びかけている。

それでは、今回の研究結果をシャープはどのように受け止め、今後、この結果をどう活用していくのか? 担当者に話を聞いてみた。

今回は試験空間における検証結果

――今回の試験結果について率直な感想を教えて

世界中で感染拡大が続く新型コロナウイルスに対する効果が確認できたことは、非常に意義があることだと考えております。


――市販の製品で効果が裏付けられたわけではない?

その通りです。今回は試験空間における検証結果であり、商品での試験は行っておりません。
 

プラズマクラスター技術が役に立てないか考えた

――今回の試験を行うことになった経緯は?

新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で続いている状況であり、またこの状況が、今後、年単位で続く可能性もあることから、プラズマクラスター技術の新型コロナウイルス への効果検証を行うことで、少しでもこの技術が世の中の役に立てないかと考えたためです。


――そもそもプラズマクラスター技術とは?

自然界に存在するものと同じプラスとマイナスのイオンを放出し、浮遊する有害物質の表面で活性化し分解除去することで、除菌・消臭などにも効果のある当社独自の空気浄化技術です。

資料提供:シャープ
資料提供:シャープ

医療機関などで抗ウイルス効果を発揮する可能性も

――試験に参加した教授からの声は?

長崎大学感染症共同研究拠点の安田教授はこのようにコメントされています。

「付着したウイルスへの対策としては、アルコールや洗剤(界面活性剤)等の消毒薬が有効ですが、エアロゾル(マイクロ飛沫)を介した感染を想定した対策としてはマスク等の着用以外に有効策がありません。

今回、プラズマクラスター技術が空気中に浮遊した状態の新型コロナウイルスを不活化することが実証されたことは、一般家庭だけでなく医療機関などの実空間で抗ウイルス効果を発揮する可能性があると期待されます。」


――反響は?

発表後、各方面から非常に多くのお問合せをいただいております。
 

――この結果を、今後どのように活用していく?

今後は、より実使用条件に近い条件において、効果の検証を進める予定です。その検証結果をもとに、新型コロナウイルスの感染リスク低減に向け、効果的なプラズマクラスター技術の活用について検討しご提案していきたいと考えています。


新型コロナウイルスを終息させるため、ワクチンや抗ウイルス薬など、世界中で開発が急がれている。こうした中で、有効なコロナ対策の一つとして、シャープの今後の検証や製品開発に期待したい。
 

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