石破首相が自民党の新人議員に10万円分の商品券を配布していた問題。“クリーン”な政治を期待していた街の人からも驚きや疑問の声が出ている。

石破茂首相
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石破茂首相:違法性はないものというふうに、私としては考えております」

14日朝、あらためて法律には違反していないと強調した石破首相。

ことの発端は今月3日、石破首相が自民党の新人議員15人と行った会食の前に、秘書が出席議員の事務所に「お土産」として1人当たり10万円分の商品券を配布していた。

そのことが発覚したことを受け、石破首相は13日深夜に急きょ取材に応じ、違法ではないと釈明した。

石破茂首相(3月13日午後11時半ごろ):私自身の私費、ポケットマネーで用意をしたものでございます。政治活動に関する寄付でもございません。政治資金規正法上の問題はないということです。

また石破首相は、過去の会食でも商品券を渡したことがあると認めた。

「違法性はない」という石破茂首相
「違法性はない」という石破茂首相

■「清廉潔白な感じがしていたのでびっくり」

大阪の街の人からは、『まさか石破総理が…』という驚きと、金額の大きさへの驚きの声が聞かれた。

街の人 60代:ポケットマネーで10万円てね…。

街の人 60代:清廉潔白な感じがしていたので、びっくりしました。

街の人 20代:ポケットマネーとはいえ、そのお給料は税金から出ていると思いますので。10万円はちょっと大きいですよね。

そしてこんな意見も…。

街の人 50代:献金の問題とかありながら、この時期にやるのはどうなのかな。『以前から(商品券を配っていた)』というのが当たり前みたいになっているのが、そもそもどうなのかと疑問を感じますね。

「この時期にやるのはどうなのかな」
「この時期にやるのはどうなのかな」

■自民党議員からも疑問の声

さらに14日の国会では身内からも疑問の声が上がった。

自民党 山下雄平参院議員:どうしてそんな高価な物を、そんなに大量に配ろうという発想になったのでしょうか。

これに対し石破首相はあくまで「厳しい選挙戦を戦ったことへのお礼」とした上で…。

石破茂首相:(商品券10万円分は)高額なものであるということで、世の中の常識と違うではないかというご指摘は、甘んじて受けねばならんことです。

裏金問題の真相も明らかになっていない中、政治への信頼は回復できるのだろうか。

「常識と違うではないかというご指摘…受けねばならん」
「常識と違うではないかというご指摘…受けねばならん」

■違法性を問われる可能性あり

石破首相は政治活動に関するものではないと言っているが、法的な問題などはないのだろうか。

関西テレビ 神崎博報道デスク:政治資金規正法に引っかかる可能性があるかと思います。『10万円の商品券』というのは、規正法上の『現金など』に含まれるので、引っかかる可能性があります。

関西テレビ 神崎博報道デスク:一番のポイントは、『“政治活動”に関して』というところです。今回、石破総理の言い分としては、『選挙で苦労されたご家族などへのお土産』というスタンスで、政治活動ではないという言い分です。これは解釈にもよると思うので、今後違法性を問われる可能性はあると思います。

違法性を問われる可能性あり
違法性を問われる可能性あり

■「政治家としてどうなのかという姿勢が問われる」

企業団体献金禁止の議論などをしているタイミングでもあり、政治とカネの問題があって政治への不信感が高まる中で、今回の問題が起きた。

ジャーナリスト 浜田敬子さん:政治家としてどうなのかという姿勢が問われてくるのだと思います。まず一つは金銭感覚ですよね。『10万円』というのが、お土産として、そんな多額の物をあげるのか。

ジャーナリスト 浜田敬子さん:そしてタイミングですよね。政治とカネの問題があったから、比較的クリーンだと思われた石破さんになったのに、しかも野党から企業団体献金のことを言われている時にやってしまった。

「世論の支持がなくなったら、より所がなくなる」
「世論の支持がなくなったら、より所がなくなる」

■「世論の支持がなくなったら、より所がなくなるんじゃないか」

ジャーナリスト 浜田敬子さん:石破さんはやはり党内基盤が弱くて、『石破さんじゃ参院選戦えない』という声もあり、予算を通すのにも四苦八苦している時に、世論の支持がなくなってしまったら、より所がなくなるんじゃないかなと思います。

石破政権を左右しかねない問題に発展する可能性がある。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年3月14日放送)

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関西テレビ
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